見た目に騙される!?危険な階段デザインがSNSで話題沸騰!

近年、デザイン性を重視した建築が増える一方で、安全性に疑問符がつくケースも少なくありません。今回、都内のある複合施設の階段がSNSで物議を醸しています。一見すると平坦な通路に見えるデザインが、利用者の視覚を惑わし、転倒事故の危険性を孕んでいると指摘されているのです。一体どのような階段なのか、そして安全な階段デザインとはどうあるべきか、詳しく見ていきましょう。

写真で見るとまるで通路?錯覚を招く階段デザイン

問題となっている階段は、写真で見るとまるで平坦な通路のように見えます。SNS上では「滑らかなスロープにしか見えない」「ただの通路に見えた」といった声が相次ぎ、実際に足を踏み外しそうになったという体験談も寄せられています。都内の複合施設にある階段ではないかとの情報提供を受け、jp24h.comの記者が現地へ赴き、実際にその目で確かめてきました。

都内の複合施設にある問題の階段。一見、平らな通路に見える都内の複合施設にある問題の階段。一見、平らな通路に見える

確かに、写真で捉えると平坦な通路のような錯覚を起こします。記者自身は階段として認識できましたが、視力の弱い方や高齢者にとっては危険なデザインと言えるでしょう。

バリアフリーの専門家は「やってはいけないデザイン」と断言

近畿大学理工学部の柳原崇男教授(バリアフリー学)は、この階段について「やってはいけないデザイン」と断言します。「平坦に見間違える可能性があるデザインで、踏み場の部分がわかりづらく、色のパターンも途中で変わっているため、誤認しやすい」と指摘しています。

階段で最も重要なのは「視認性」です。「踏み面(ふみづら)」と呼ばれる足の置き場の奥行きと、「蹴上(けあげ)」と呼ばれる一段ごとの高さを利用者が明確に認識できることが、安全な歩行には不可欠です。

階段の踏み面と蹴上の図解。視認性の高いデザインが求められる階段の踏み面と蹴上の図解。視認性の高いデザインが求められる

柳原教授は、「建築をデザインする人が必ずしもバリアフリーを学んでいるわけではないため、視覚に障害を持つ方などへの配慮が欠けてしまう可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

デザイン性と安全性の両立を目指して

今回の事例は、デザイン性を追求するあまり、安全性が軽視されている現状を浮き彫りにしました。建築デザインにおいて、美観と機能性のバランスを保つことは非常に重要です。特に公共の場では、あらゆる利用者の安全を確保することが最優先事項であるべきでしょう。

近年の建築デザイン教育では、バリアフリーやユニバーサルデザインの重要性が認識されつつありますが、すべての学生が専門的な知識を習得しているわけではありません。建築業界全体で意識改革を進め、誰もが安全に利用できる空間づくりを目指していく必要があります。

まとめ:誰もが安心して利用できる社会を目指して

視覚的な錯覚を招き、転倒事故の危険性を孕む階段デザインがSNSで話題となりました。デザイン性と安全性の両立は、現代社会における重要な課題です。誰もが安心して暮らせる社会を実現するために、建築業界だけでなく、私たち一人ひとりがバリアフリーの意識を高めていく必要があるのではないでしょうか。

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