人生の最終章を穏やかに、そして自分らしく迎えるためにはどうすれば良いのでしょうか?超高齢化社会を迎えた日本では、「看取り」が大きな社会問題となっています。この記事では、看取り士の第一人者である柴田久美子さんの活動を通して、尊厳ある最期を迎えるためのヒントを探ります。
看取り難民問題と看取り士の役割
高齢化が進むにつれ、病院での最期ではなく、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと願う人が増えています。しかし、訪問看護師の不足などにより、希望通りに自宅で最期を迎えることが難しい「看取り難民」が増加しているのが現状です。2030年には年間47万人にものぼるとも言われています。
柴田さんは、人生の始まりには助産師がいるように、人生の終わりにもサポートが必要だと考え、看取り士の道を歩み始めました。看取り士は、本人の意思を尊重し、最期の時を安らかに過ごせるよう、医療・介護の専門家と連携しながら、本人や家族を支える存在です。
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4つの質問から始まる、最期への準備
柴田さんは、依頼を受けるとまず4つの質問をします。「どこで最期を迎えたいか?」「誰に看取られたいか?」「どのような医療を希望するか?」「現在困っていることはないか?」。これらの質問を通して、本人の希望を丁寧に汲み取り、実現に向けてサポートを開始します。
自宅での看取りを希望する場合は、緩和ケアの計画を立て、訪問看護師や訪問介護士、ボランティアと連携したチームでケアにあたります。夜間の付き添いや、話を聞く、手を握るといった細やかなケアを通して、不安な気持ちを和らげ、穏やかな時間を提供します。
核家族化時代における家族へのサポート
核家族化が進み、「おひとりさま」の高齢者も増加する現代において、家族の負担も大きくなっています。看取りの経験がない、子育てと介護の両立など、様々な状況にある家族の相談にも乗り、精神的な支えとなっています。
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臨終の立ち合いと”命のバトンリレー”
看取り士の最も重要な役割は「臨終の立ち合い」です。医師から連絡が入ると、いつでも駆けつけ、最期の時を家族と過ごせるようサポートします。この時間を柴田さんは「命のバトンリレー」と呼んでいます。最愛の人との別れは辛いものですが、同時に命が繋がっていく瞬間を感じられる、尊い時間となるのです。
柴田久美子さんの歩み
これまで約300人を看取り、3,000人以上の看取り士を育成してきた柴田さん。余命宣告から納棺まで、多岐にわたるサポートを通して、”命のバトンリレー”を実現しています。 どのような経験を経て、今の柴田さんがあるのでしょうか?今後の記事では、柴田さんのこれまでの歩みについて詳しくご紹介していきます。
まとめ:尊厳ある最期を迎えるために
この記事では、看取り士 柴田久美子さんの活動を通して、尊厳ある最期を迎えるためのヒントを探りました。看取り難民問題の深刻化や、看取り士の役割、そして柴田さんの活動理念である「命のバトンリレー」について理解を深めていただければ幸いです。
ご自身の最期や、大切な家族の最期について考えるきっかけになれば幸いです。 jp24h.comでは、今後も様々な情報を発信していきますので、ぜひご覧ください。