ベビーブーマー世代が反トランプデモに集結!その背景にある真の理由は?

アメリカで巻き起こる反トランプデモ。その参加者にベビーブーマー世代の多さが目立つ現象に注目が集まっています。一体何が彼らをデモへと駆り立てているのでしょうか?社会保障や年金への不安?株価下落への懸念?それとも、もっと深い理由があるのでしょうか?本記事では、その真相に迫ります。

白髪が目立つデモ隊:ベビーブーマー世代の参加急増

2025年4月、全米各地で反トランプデモが開催されました。その様子を伝える写真で目に付くのは、参加者の年齢層の高さです。白髪交じりの頭が目立ち、近年の「Black Lives Matter」運動やイスラエル/ガザ問題に関するデモとは異なる様相を見せています。これらのデモでは、若者世代が中心的な役割を担っていたのに対し、今回のデモではベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ)の参加が顕著となっています。

altalt

この現象は、SNS上でも話題になっています。Redditのフォーラム「r/50501」では、あるユーザーが「ベビーブーマー世代の参加に驚いている」と投稿し、多くの共感を得ています。

社会保障、年金、株価…様々な不安が交錯

ベビーブーマー世代の多くは、既に退職しているか、退職間近です。そのため、社会保障や年金への不安は、彼らの生活に直結する深刻な問題です。イーロン・マスク氏が社会保障制度を「最大のポンジスキーム」と批判するなど、制度の持続可能性に対する懸念も高まっています。

さらに、トランプ前大統領の政策による株価下落も、ベビーブーマー世代の生活を圧迫しています。退職後の生活資金を株式投資に頼っている人も多く、株価の変動は彼らの生活に大きな影響を与えます。物価上昇も生活への負担を増大させており、固定収入で生活する退職者にとっては深刻な問題です。

政治的立場の変化?それとも長年の信念?

もちろん、すべてのベビーブーマー世代が反トランプというわけではありません。2024年の大統領選挙では、ベビーブーマー世代の票は、カマラ・ハリス氏とドナルド・トランプ氏にほぼ均等に分かれました。デモに参加しているのは、長年にわたりリベラルな政治思想を持ち続けてきた人々である可能性が高いでしょう。

しかし、近年の社会情勢の変化が、これまで政治活動に消極的だったベビーブーマー世代を突き動かしている可能性も否定できません。「Black Lives Matter」運動や学生による反ガザ攻撃デモには参加しなかったものの、社会の不公正や政治の混乱に危機感を抱き、行動を起こすようになった人々もいると考えられます。

専門家の見解

ニューヨーク大学のロバート・コーエン教授(歴史学・社会学)は、抗議運動の歴史を専門としています。コーエン教授は、この現象について「過度な一般化は避けるべき」としながらも、「社会保障や年金への不安、株価下落への懸念に加え、トランプ前大統領の政策に対する不満が、ベビーブーマー世代の政治参加を促している可能性がある」と指摘しています。

まとめ:ベビーブーマー世代の行動が社会を変える?

ベビーブーマー世代のデモ参加は、アメリカ社会の大きな変化を示唆しているのかもしれません。彼らの行動が今後の政治や社会にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。