パ・リーグの試合をいつでもどこでも楽しめる動画配信サービス「パーソル パ・リーグTV」、通称「パテレ」。その人気は年々高まり、プロ野球ファンの新たな観戦スタイルとして定着しています。2024年度パ・リーグ公式戦の観客動員数は史上最多を更新しましたが、「パテレ」の存在もその追い風になったことは間違いありません。今回は、「パテレ」を運営するパシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM)の成功の秘訣を探ります。
PLM設立の背景:IT活用による球界改革
PLMは、2007年にパ・リーグ6球団の共同出資によって設立されました。2000年代半ばは、球界再編、セ・パ交流戦開始、プレーオフ導入など、プロ野球界にとって大きな変革期でした。PLM代表取締役CEOの新井仁氏は、当時を振り返り、ITの活用による新たな可能性を探る機運が高まっていたと語ります。
パ・リーグTVを運営するPLMのオフィス
この時期にソフトバンク、楽天といったIT企業が球団の親会社となったことも、PLM設立を後押しする大きな要因となりました。携帯電話で試合を視聴できる「プロ野球24」の提供や、6球団のIT事業統合によるコスト削減など、PLMは設立当初から革新的な取り組みを展開していました。
パテレの進化:ファン目線のサービス提供
「パテレ」は、単なる試合中継にとどまらず、ファン目線の様々なサービスを提供することで人気を獲得してきました。マルチアングル配信、見逃し配信、ハイライト動画など、視聴者のニーズに応える多様なコンテンツが充実しています。
スポーツジャーナリストの山田太郎氏(仮名)は、「パテレ」の成功要因について、「ファンが本当に求めているものを的確に捉え、高品質なサービスを提供している点にある」と分析しています。例えば、試合中のリアルタイムデータ表示や、選手インタビュー、解説者による分析など、付加価値の高いコンテンツが視聴者の満足度を高めていると言えるでしょう。
未来への展望:新たなファン層の開拓
PLMは、今後も「パテレ」を通じてパ・リーグの魅力をより多くの人々に届け、新たなファン層の開拓を目指しています。VR技術を活用した臨場感あふれる観戦体験や、海外向け配信の強化など、更なる進化を遂げることで、プロ野球界全体の活性化に貢献していくことが期待されます。
パ・リーグマーケティング株式会社の新井仁氏
新井氏は、「パ・リーグの試合を世界中の人々に楽しんでもらえるよう、挑戦を続けていきたい」と力強く語っています。「パテレ」の進化は、プロ野球の未来を大きく変える可能性を秘めていると言えるでしょう。