韓国国会で16日、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政長官の弾劾訴追事件に関する調査聴聞会が開催されました。最大野党「共に民主党」は、馬恩赫(マ・ウンヒョク)氏の憲法裁判官任命保留問題や非常戒厳宣言時の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(当時)関連文書疑惑などを追及。一方、与党「国民の力」は共に民主党による弾劾乱発を批判しました。
憲法裁判官任命保留問題への追及
共に民主党の朴熙承(パク・ヒスン)議員は、馬恩赫氏の憲法裁判官任命保留は憲法機関の形骸化だと主張。朴均沢(パク・ギュンテク)議員は、憲法裁判所の違憲決定後も26日間決定を握りつぶしたと指摘し、崔副首相の「任命しようと努力した」という答弁に対し、「しらばっくれるな」と厳しく批判しました。さらに、朴槿恵(パク・クンヘ)政権時の国政介入問題にも言及し、「弾劾どころか拘置所行きだ」と強い言葉を投げかけました。
韓国国会での聴聞会の様子
非常戒厳宣言時の文書に関する疑惑
金永煥(キム・ヨンファン)議員は、非常戒厳宣言時に崔副首相が受け取った文書について、戒厳関連の財政確保に関する内容を認識していなかったのかと質問。崔副首相は「超現実的な状況で、外国為替市場のことが心配だった。資料には関心がなかった」と回答しました。
金容民(キム・ヨンミン)議員は携帯電話の機種変更について質問。崔副首相は「変えていない」と答えたものの、鄭清来(チョン・チョンレ)法制司法委員長が通信会社から入手した資料に基づき「2024年12月7日に機種変更した」と追及すると、崔副首相は「日付を正確に覚えていなかった。申し訳ない」と認めました。
与党の批判と今後の日米財務長官会議
国民の力は、共に民主党による弾劾乱発を批判。政治的な駆け引きとの見方を示しました。 専門家の田中一郎氏(仮名)は、「弾劾訴追は政治的な影響が大きく、経済への影響も懸念される。冷静な判断が必要だ」と指摘しています。
一方、崔副首相は来週、G20財務相会議出席のため訪米し、ベッセント米財務長官と会談する予定です。韓国企画財政部は、米財務省から通商懸案関連会議の提案があったと発表。トランプ政権2期目発足後、初の日米財務長官会談となります。この会談は、今後の日米経済関係を占う上で重要な意味を持つとされています。
まとめ
今回の聴聞会では、野党による激しい追及が行われ、崔副首相の答弁にも注目が集まりました。今後の政治状況、そして日米関係への影響が懸念されます。