田中美佐子、火野正平さんの遺志を継ぎ「こころ旅」へ 熱い想いと新たな風

NHK BSの人気番組「にっぽん縦断 こころ旅」で、昨年11月に亡くなった火野正平さんの後任として、俳優の田中美佐子さんが自転車の旅を続けています。視聴者から寄せられる“こころの風景”を訪ねるこの番組は、長年火野さんの温かい人柄で親しまれてきました。田中さんがどのようにバトンを受け継ぎ、新たな風を吹き込んでいるのか、番組プロデューサー北村卓三氏へのインタビューを基に、その舞台裏に迫ります。

火野正平さんが認めた「女正平」、田中美佐子

火野さんは生前、田中さんのことを「女正平」と評し、その明るさやお茶目な人柄を高く評価していたそうです。映画「鑓の権三」での共演以来、親交があった二人。北村氏によると、火野さんは田中さんのことを「野生児」と呼び、その自由奔放な振る舞いに共感していたといいます。

田中美佐子さんが自転車に乗る姿田中美佐子さんが自転車に乗る姿

昨年秋、火野さんが怪我で番組を休んだ際、田中さんはピンチヒッターとして旅を引き継ぎました。静岡と三重の2週に渡る旅で、持ち前の明るさと誠実さで視聴者を魅了。実は田中さん自身、以前から“誰かの大切な場所を訪ねる仕事”に憧れていたそうで、今回のオファーを大変喜んでいたといいます。

訃報を乗り越え、新たな旅へ

三重での旅の最終日、火野さんの訃報が届きました。田中さんは深い悲しみに暮れながらも、「私にできることがあったらできる限りのことをします」と力強く語ったそうです。番組開始以来、共に旅をしてきたスタッフも大きな悲しみに包まれましたが、火野さんが大切に育ててきた番組を続けるため、新たな旅人探しが始まりました。

北村氏は、視聴者からの手紙を大切に扱う番組の性質上、長期間出演できる旅人が必要だと考えていました。そんな時、田中さんの言葉を思い出し、正式なオファーを出したところ、快諾を得たといいます。

田中美佐子さん田中美佐子さん

田中さんは、この大役を引き受けるにあたり、「新しい仕事をもらえるのは嬉しい。これは正平さんからのプレゼントだと思って頑張りたい」と語っています。火野さんの遺志を継ぎ、新たな「こころ旅」が始まりました。

田中美佐子流の「こころ旅」

田中さんの旅は、火野さんとはまた違った魅力に溢れています。飾らない人柄と軽快なトークで、訪れる先々の人々と心を通わせる姿は、まさに「美佐子ワールド」。視聴者からは、「田中さんの旅も素敵」「火野さんとは違う温かさがある」といった声が寄せられています。

番組の未来を担う田中さんの旅は、始まったばかり。彼女の温かい眼差しを通して、どんな“こころの風景”が届けられるのか、今後の展開に期待が高まります。

こころ旅の新たな章

火野正平さんから田中美佐子さんへと受け継がれた「こころ旅」のバトン。番組の歴史に新たな1ページが刻まれようとしています。田中さんの旅を通して、視聴者はどんな感動に出会うのでしょうか。今後の放送をお見逃しなく。