子供の睡眠中に潜む危険！マットレスから有害物質放出の衝撃

乳幼児のマットレスから、発達障害やホルモン異常を引き起こす可能性のある有害物質が放出されているというショッキングな研究結果が発表され、子育て中の家庭に衝撃が走っています。本記事では、その詳細と対策について分かりやすく解説します。

危険なマットレス：有害物質の温床

トロント大学のミリアム・ダイアモンド教授率いる研究チームは、生後6ヶ月から4歳までの子供部屋の空気を分析し、フタル酸エステル類、難燃剤、紫外線吸収剤など、24種類以上の化学物質が高濃度で検出されたと発表しました。中でも、子供用ベッド付近の濃度が最も高く、その原因はマットレスであることが判明しました。

マットレスの断面図

眠っている子供の体温や体重が、これらの有害物質の放出を促進している可能性も指摘されています。今回調査対象となったのは、北米大手小売店で販売されている一般的な低価格帯のマットレス。カナダで購入されたものの、素材はアメリカやメキシコ産のものも含まれており、北米全体で販売されているマットレスに同様の問題が存在する可能性が高いとダイアモンド教授は警鐘を鳴らしています。

フタル酸エステル類と難燃剤：健康への影響

検出されたフタル酸エステル類は、食品保存容器、シャンプー、化粧品、おもちゃなど、私たちの身の回りの様々な製品に使用されています。しかし、この物質は内分泌系に影響を及ぼし、思春期早発症、生殖機能異常、ホルモン異常などのリスクを高めることが知られています。

子供への影響：特に注意が必要な理由

子供は、脳や体が発達段階にあるため、化学物質の影響を受けやすいのです。フタル酸エステル類は、男児の生殖器異常、成人男性の精子数減少、テストステロン値の低下、さらには小児肥満、喘息、心血管疾患、早期死亡、がんとの関連も指摘されています。

また、難燃剤の一種である有機リン酸エステル（OPFRs）も検出されました。 OPFRsもまた、子供の生殖、発達、神経系の異常との関連が懸念されています。あるマットレスからは、発がん性物質として知られるTDCPPが1700ppmも検出されました。さらに、安全基準を満たしているという認証ラベル付きのマットレスからも、EPA（アメリカ環境保護庁）が禁止している難燃剤、ペンタクロロチオフェノール（PCTP）が高濃度で検出されるなど、現状の安全基準に疑問符が投げかけられています。

専門家の見解：安全基準の見直しを

著名な小児科医である山田先生（仮名）は、「今回の研究結果は非常に憂慮すべきものです。子供の健康を守るためには、マットレスをはじめとする寝具の安全基準を見直す必要があるでしょう。また、消費者は製品の素材や成分表示をよく確認し、有害物質が含まれていないかを確認することが重要です。」と述べています。

安心安全な睡眠環境を子供たちに

今回の研究結果を受け、保護者の不安は高まるばかりです。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、子供たちの健康を守ることができます。まずは、マットレスの素材や認証ラベルをよく確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。また、定期的にマットレスを掃除し、風通しを良くすることも大切です。