「THE SECOND」という、一際熱いお笑いトーナメントがある。出場資格は、結成16年以上の漫才師。つまり、ベテラン芸人ということだ。
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同じくお笑いトーナメントであり、国民的な人気イベントとなった「M-1グランプリ」は、結成15年以内の芸人しか出場できない。「THE SECOND」は、「M-1」に出場できなくなり、ブレイクのきっかけを失ってしまった漫才コンビのための「セカンドチャンス」の場なのだ。
■結成23年間のうち、専業できたのは4年だけ
2025年もすでに選考会が行われており(5月にテレビ放映されるグランプリファイナルがある)、そこで注目されているコンビがいる。
昨年、「THE SECOND〜漫才トーナメント〜2024」でファイナリストとなった「ハンジロウ」の2人だ。主にツッコミを担う「しゅうごパーク」さんと、ボケ担当の「たーにー」さんからなる沖縄出身の芸人である。
「僕らはコンビで23年間やってきて、芸人一本で生活できているのは4年くらい。あとはずっと兼業で生きてきました」
ファイナリストになった実力を持ちながらも、なかなかブレイクできずにきた苦労人。お笑い芸人として成り上がりを目指す一方、しゅうごパークさんは水道メーター検針のアルバイト、たーにーさんはカレー屋(「五反田カリガリ マキオタニカリー」)の店長という副業で生計を立てている。
あと何年頑張ればブレイクできるのか、保証のない職業だ。彼らはどうしてそこまで「芸人」であることにこだわるのか。
しゅうごパークさんがお笑いと出逢ったのは、中学1年のとき。お年玉で買ったテレビデオで夜中までテレビを見ていたら、あの“伝説の番組”と遭遇する。
「自分の部屋で見た『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)に衝撃を受けたんです。当時、沖縄にいると、若手の芸人さんたちのネタを見る機会があまりなくて。オンバトで見たアンタッチャブルさんやDonDokoDon(山口智充・平畠啓史)さんのネタがあまりにも面白くて、そこからお笑い芸人になりたいなと思うようになりました。番組に出ていた人たちは僕にとってはスターでした」(しゅうごパークさん)
それから『爆笑オンエアバトル』の出演者が発する言葉をすべてノートに書き写して、「この場面では、こういうことを言ったら面白いんだ』と学び、幼なじみで後にコンビの相方となるたーにーさんともう1人の友人の3人でショートコントやお笑いビデオを作っていた。