石破首相に退陣要求噴出:自民党内「裏金」議員の動きに国民から批判の声

参院選での歴史的惨敗を受け、自民党内から石破茂首相に対し、猛烈な退陣要求の声が噴出しています。しかし、その声の主には、長年にわたり裏金問題や旧統一教会との癒着などで自民党への不信感を高めてきた「札付き」の議員が目立ち、国民からは「裏金議員が率先して石破おろししているのが図々しすぎる」といった厳しい批判がSNS上で相次いでいます。この状況は、石破首相個人への非難に留まらず、自民党全体への不信感をさらに強める結果となっています。

石破茂首相の国会での姿。参院選大敗後に退陣要求が噴出する状況を示す。石破茂首相の国会での姿。参院選大敗後に退陣要求が噴出する状況を示す。

参院選の惨敗と首相退陣報道の波紋

今回の参院選で自民党は39議席の獲得に留まり、公明党と合わせても過半数の議席を維持できない大敗を喫しました。この結果を受け、2025年7月23日には石破首相の退陣を報じる全国紙の号外が配られる事態となりましたが、直後に首相本人がこれを否定するという混乱も生じました。

問題議員による「石破おろし」の動き

自民党内では、過去に様々な問題を起こし、国民の信頼を損ねてきた議員たちが、この機を逃すまいと石破首相の退陣を強く求めています。

今回の参院選で当選した西田昌司参院議員は、「筋から考えて総理は責任を取るべき」と石破首相を批判し、「国民から見放された人が物を言っても信頼性がない」との持論を展開しました。西田議員は今年5月、沖縄戦で犠牲になった女子生徒らを慰霊する「ひめゆりの塔」の説明について不適切な発言を行い、後に謝罪に追い込まれた経緯があります。

かつて「保育園落ちた日本死ね」ブログを「親の責任」と断じ、週刊誌に隠し子疑惑を報じられたことで知られる山田宏参院議員も、開票結果が出て以降、自身のX(旧Twitter)で「まず選挙大敗の責任を総理が速やかに取ることが先だ」と主張し、連日石破首相の退陣を求める投稿を繰り返しています。

自民党青年局で局長を務める中曽根康隆衆院議員は、「もう結果責任、これを考えれば、即時の退陣というのが必要であるという声が大多数を占めた」と述べ、25日には党執行部の責任を問う申し入れを行いました。しかし、中曽根議員自身も2024年3月、露出度の高い衣装の女性ダンサーを招いた懇親会に参加したことが問題視され、青年局長代理(当時)を辞任しています。

佐々木紀衆院議員は党石川県連の会合で「辞任して党員に信を問うべきだ。総裁選をすべきではないか」と発言したと22日に共同通信が報じました。また、鈴木英敬衆院議員も自身のXで22日、「続投をおっしゃるのは、選挙による審判を軽視していると言わざるを得ない」と石破首相を批判しました。

自民党議員がX(旧Twitter)で石破首相の退陣を要求する投稿をしている画面。問題視される議員による「石破おろし」の動きを具体的に示す。自民党議員がX(旧Twitter)で石破首相の退陣を要求する投稿をしている画面。問題視される議員による「石破おろし」の動きを具体的に示す。

まとめ

今回の参院選大敗を受け、自民党内で石破首相への退陣要求が強まる一方で、その声の中心にいるのが、過去に不祥事を起こし、国民からの信頼を失ったとされる議員たちである点が、大きな論点となっています。この状況は、石破首相個人の進退問題だけでなく、自民党全体が抱える構造的な問題、ひいては国民の政治に対する不信感の根深さを改めて浮き彫りにしています。国民の厳しい視線は、個々の議員の言動だけでなく、党全体の責任問題として向けられています。

参考文献