イタリア旅行で韓国人夫婦が人種差別被害…「チン・チャン・チョン」と嘲笑、ペットボトル投げつけも

イタリアのコモ湖で、韓国人夫婦が現地学生から人種差別的な言葉を浴びせられ、ペットボトルを投げつけられるというショッキングな事件が発生しました。美しい景観で知られる観光地で一体何が起きたのでしょうか?今回は、被害を受けた夫婦の証言やネット上の反応を交え、この問題について深く掘り下げていきます。

コモ湖での出来事

50代の韓国人夫婦は、新婚旅行でイタリアを訪れ、風光明媚なコモ湖で楽しいひとときを過ごしていました。しかし、その穏やかな時間は、現地の学生グループとの遭遇によって一変します。学生たちは突然、理由もなく「チン・チャン・チョン」と繰り返し夫婦を嘲笑し始めました。「チン・チャン・チョン」は、東アジア系の人々に対する蔑称であり、欧米では人種差別的な言葉として広く認識されています。

alt="コモ湖の風景"alt="コモ湖の風景"

夫のAさんは、状況が悪化する可能性を考え、証拠を残すために動画撮影を開始。学生たちに「チン・チャン・チョン」と言ったのかと英語で問いただすと、学生たちはそれを認めました。Aさんは「チン・チャン・チョン」が人種差別的な言葉であることを説明し、使用を控えるように注意しました。その場では学生たちは理解した様子を見せ、事態は収束したかに思われました。

しかし、その後、列車の駅で再び学生たちと遭遇したAさん夫婦は、再び「チン・チャン・チョン」と叫ばれ、執拗な嫌がらせを受けます。Aさんはこの様子も動画に収めました。驚くべきことに、引率の教師は学生たちの差別的な言動を制止することなく、Aさんの動画撮影を阻止しようとしました。Aさんは、「教師は学生たちが『チン・チャン・チョン』と言っている間は黙っていたのに、動画を撮り始めたら『撮るな』と言ってきた」と証言しています。さらに、学生たちは教師の背後に隠れてスマートフォンを取り出し、Aさん夫婦を撮影し始めました。

事態は悪化の一途を辿り、Aさん夫婦がその場を離れようとしたところ、学生の一人がペットボトルを投げつけました。Aさんは「動画には映っていないが、向きを変えて歩き出した私たちに学生の1人がペットボトルを投げ付けた。学生たちが何のためらいもなく人種差別をして、先生がそれを止めようともしないということに本当に失望した」と心境を語っています。

ネット上の反応と専門家の見解

AさんがYouTubeに投稿した動画は韓国で拡散され、大きな波紋を呼びました。多くのネットユーザーが学生たちの行為と教師の対応を批判し、「学生だからといって許されるものではない」「教師が見て見ぬふりをしたのは問題だ」といったコメントが寄せられました。また、同様の経験をしたという声も上がり、人種差別問題の根深さを改めて浮き彫りにしました。

alt="人種差別反対デモ"alt="人種差別反対デモ"

異文化コミュニケーションの専門家である田中教授(仮名)は、「今回の事件は、教育現場における人権意識の欠如を露呈したと言えるでしょう。子供たちが無意識のうちに差別的な言動を繰り返さないよう、学校教育で多様性への理解を深める必要がある」と指摘しています。

今後の課題

今回の事件は、観光立国を目指すイタリアにとって大きな課題を突きつけました。人種差別は決して許されるべき行為ではなく、観光客が安心して過ごせる環境づくりが急務です。再発防止のためにも、教育機関や観光業界が連携し、人権意識向上のための取り組みを強化していくことが求められます。