備品盗難への対応策~トイレットペーパーが消える高齢者施設の事例~

高齢者施設でトイレットペーパーや乾電池などの備品がなくなる…そんな奇妙な事件に頭を悩ませる施設長が増えているようです。今回は、備品盗難の実態と、企業がどのように対応できるのか、jp24h.comが具体的な事例を通して解説します。

備品盗難の実態:トイレットペーパーはどこへ消えた?

サービス付き高齢者住宅を運営するT社の施設長、ユタカさん(50代男性・仮名)は、社労士である私に就業規則の改定を依頼してきました。その際、懲戒事由に「社内備品の盗難をしないこと」を盛り込んでほしいと強く要望されました。

施設ではトイレットペーパーや乾電池などの備品盗難が相次いでおり、特にトイレットペーパーは以前より購入量が増加しているにも関わらず、常に不足している状態とのこと。ユタカさんは、スタッフのオオノさん(仮名)を疑っていました。オオノさんの出勤日の翌日は必ずトイレットペーパーの補充が必要で、ストックが2ロールずつ減っているというのです。

トイレットペーパーのストックトイレットペーパーのストック

施設のトイレにはペーパーホルダーに加え、ストック用のトイレットペーパーが2ロール常備されています。これは、備品庫が別棟にあるため、すぐに補充できるようにするための措置でした。しかし、このストック用のトイレットペーパーが常に2ロールともなくなっているというのです。

ユタカさんは、当初備品管理担当者を責めてしまい、その担当者が潔白を証明するためにシフトとトイレットペーパーの数を照らし合わせた結果、オオノさんに疑いが向けられることになったのでした。

状況証拠だけ…効果的な対応策とは?

残念ながら、施設には防犯カメラがなく、物的証拠はありません。状況証拠しかない中で、オオノさんにどのように対応すれば良いのでしょうか?

「人事労務の専門家として、このような状況証拠しかない場合、まずは事実確認が重要です。オオノさんと面談を行い、状況を丁寧に説明し、本人の言い分をきちんと聞くことが大切です。」(人事コンサルタント 山田花子さん・仮名)

オオノさんとの面談では、感情的にならず、冷静に事実関係を確認することが重要です。疑いがあることを伝えるとともに、本人の言い分にも耳を傾け、誤解があれば解く努力が必要です。

就業規則の整備と周知徹底

今回のケースでは、就業規則に備品盗難に関する規定を明確に記載し、全従業員に周知徹底することが重要です。

「就業規則に懲戒処分に関する規定を設けることで、従業員への抑止力となり、同様の事案の再発防止に繋がります。また、就業規則の内容を定期的に周知することで、従業員のコンプライアンス意識を高めることができます。」(社会保険労務士 田中一郎さん・仮名)

問題解決への第一歩

備品盗難は、金額の大小に関わらず、職場環境に悪影響を及ぼす可能性があります。早期に問題を解決し、働きやすい職場環境を維持するためにも、冷静な対応と適切な対策が求められます。

この記事が、備品盗難に悩む企業の皆様にとって、問題解決の糸口となることを願っています。ぜひ、皆さんの職場での取り組みやご意見をコメント欄で共有してください。また、jp24h.comでは、他にも様々な労務問題に関する情報を発信していますので、ぜひご覧ください。