日中間の修学旅行相互促進をめぐり、波紋が広がっています。2024年12月、岩屋毅外務大臣(当時)と中国の王毅外相が修学旅行の相互受け入れ促進で合意しましたが、この合意に対し、日本維新の会の西田薫衆院議員は、中国側の「南京大虐殺記念館」などの存在を理由に、日本の学生を中国へ送るべきではないと強く批判しました。
南京大虐殺記念館訪問への懸念
西田議員は、衆議院外務委員会で、南京大虐殺記念館への訪問が日本の学生に「自虐史観」を植え付ける可能性があると主張。同記念館では、南京事件の犠牲者数を30万人としている点について、日本政府の見解と異なると指摘しました。また、南京事件から87年を迎えた時期に、現地の日本人学校が安全面を考慮して休校やオンライン授業を実施した事実も挙げ、中国への修学旅行の安全性を疑問視しました。
西田薫衆院議員と岩屋毅外相
安全面と「自虐史観」への懸念を強調
西田議員は、純真な子供たちが南京大虐殺記念館のような施設を訪れることで、自虐史観を植え付けられる危険性があると繰り返し強調。国交断絶を主張しているわけではないものの、政府との認識のずれを強く感じていると述べました。
岩屋外相(当時)は相互理解の重要性を強調
一方、岩屋外相(当時)は、西田議員の主張に反論。若い世代が相互の国を訪問することで、理解が深まる意義は大きいと強調しました。政府が中国への修学旅行を強制するわけではないものの、希望する学校があれば、安全確保の観点から支援していく方針を示しました。また、過去5年間、修学旅行生が南京大虐殺記念館を訪問したという情報は入っておらず、多くの学校が訪問を選択肢として考えていない可能性を示唆しました。
相互交流の促進を支持する専門家の声
国際交流に詳しい専門家、例えば国際文化交流研究所の山田一郎氏(仮名)は、「青少年の交流は、相互理解を深める上で非常に重要です。異なる文化や歴史に触れることで、視野を広げ、多様な価値観を学ぶことができます。」と述べ、日中間の修学旅行相互促進の意義を強調しています。
今後の日中交流の行方
今回の西田議員の発言は、日中間の歴史認識の違いが改めて浮き彫りになる結果となりました。今後、どのように両国の相互理解を深めていくのか、政府の対応が注目されます。