米中貿易摩擦激化で中国輸出企業に激震!広州交易会で見えた悲痛な現実

米中貿易摩擦の激化による高関税の影響が、中国の輸出企業に深刻な打撃を与えています。中国最大規模の貿易見本市「広州交易会」では、多くの企業が窮地に立たされている現状が浮き彫りになりました。本記事では、広州交易会で見られた悲痛な現状と、企業の対応策について詳しく解説します。

高関税の嵐が吹き荒れる広州交易会

広州交易会では、高関税の影響を受けた企業の悲痛な声が響き渡っていました。「米国向け出荷が止まった」「死活問題だ」「人員削減も避けられない」といった言葉が飛び交い、まさに嵐のような状況です。

米国市場への依存が仇に

浙江省の内装材メーカーの担当者は、輸出量の3割を占めていた米国向けの出荷が完全にストップしたと語っています。受注減への不安、代替手段の模索など、情報収集に奔走する姿が印象的でした。テキサス州から来たバイヤーも、商品探しに来たものの発注できないと嘆いていました。

alt広州交易会の様子。多くのバイヤーが商品を物色している。alt広州交易会の様子。多くのバイヤーが商品を物色している。

山東省のタイヤメーカーも、米国向け生産を停止せざるを得ない状況に追い込まれています。担当者は「ここまでの関税引き上げは想定外」と落胆しており、米市場への依存度の高さが仇となった形です。

倒産・人員削減の危機

対米依存度の高い企業は特に大きな打撃を受けており、工場閉鎖や倒産を検討する企業も出てきています。ペットフード業者のように、輸出先を多角化しなかったことを悔やむ声も聞かれました。

人員削減を検討する企業も多く、浙江省寧波市の家電メーカー関係者は「相当の失業者が出てくるだろう」と危機感を募らせています。中国経済を支えてきた輸出産業への影響は計り知れません。

デカップリング寸前の米中経済関係

中国の輸出は、関税発動前の駆け込み需要もあり、3月は前年同月比12.4%増と好調でした。しかし、4月以降は落ち込みがほぼ確実視されています。寧波港の物流関係者は「米中経済関係はデカップリング(分断)寸前だ」と嘆いています。

主要港での貨物取扱量が激減

広東省深セン港では、相互関税発表後2週間で米国向け貨物の取扱量が6~8割も減少しました。寧波港でも7割以上落ち込んでおり、複数の海運大手は米中間航路を一時運休する措置を取っています。

新市場開拓への挑戦

窮地に立たされた中国の輸出企業は、東南アジアなど第三国を経由した迂回輸出や、欧州、ロシア、オーストラリアなど新たな市場の開拓に活路を見出そうとしています。

売上高の6割を米国向けが占める寧波市の自動車部品メーカーは、タイに進出して米国に輸出する計画を立てています。 輸出先 diversification は、今後の中国企業にとって重要なキーワードとなるでしょう。 国際貿易コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「中国企業は、米中貿易摩擦を教訓に、特定の国への依存度を下げ、より多角的な輸出戦略を構築する必要がある」と指摘しています。

まとめ

米中貿易摩擦の激化は、中国の輸出企業に大きな試練を与えています。広州交易会で見られた現状は、まさにその深刻さを物語っています。今後の動向に注視していく必要があります。 jp24h.comでは、引き続き米中貿易摩擦の最新情報をお届けしていきます。