この記事では、元オウム真理教幹部、野田成人氏の現在に迫ります。麻原彰晃逮捕から30年、重大事件への関与を免れた野田氏は、ホームレス支援という形で贖罪の道を歩んでいます。「大家業」を通して支援を続ける一方で、様々な困難にも直面している野田氏の現状、そして彼が語る忘れられない「クソ姉妹」のエピソードをご紹介します。
オウム真理教からホームレス支援へ:野田氏の転身
麻原彰晃逮捕から30年。多くの幹部が極刑に処される中、野田成人氏は逮捕を免れ、現在58歳。彼はオウム真理教という過去を背負いながら、ホームレス支援という形で贖罪の道を歩んでいます。前編では、彼がオウム真理教に疑問を抱き脱会するまでの経緯、そしてホームレス支援を始めるに至った理由について語られました。(参考:デイリー新潮)
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生活保護と新たな浪費:支援の難しさ
野田氏は「大家業」を通してホームレス支援を行っていますが、生活保護を受けながらお金を使い込んでしまう入居者が多いという現実を目の当たりにしています。パチンコやパチスロといったギャンブルへの依存は昔から変わらないものの、近年は新たな浪費の形も出てきているといいます。
「推し活」と呼ばれる、ライブ配信への「投げ銭」、オンラインゲームへの課金、アニメやアイドルグッズへの浪費など、現代的な消費行動に走る入居者も増えているそうです。高田馬場で起きた殺人事件の犯人のように、生活保護を受けながらこのような浪費に走るケースも出てきており、貧困の定義そのものが難しくなってきていると野田氏は語ります。
忘れられない「クソ姉妹」:支援の現実
様々な入居者と接する中で、野田氏には忘れられない姉妹がいるといいます。彼は彼女らを「クソ姉妹」と呼び、そのエピソードを語りました。
約5~6年前、役所からの依頼で、ある姉妹を入居させることになった野田氏。役所からの依頼は、他の場所で問題を起こしてたらい回しにされてきた人が多いとのこと。この姉妹もまた、NPOが運営する簡易宿泊所を追い出された過去を持っていました。
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問題を抱えた姉妹
姉は50代前半、妹は40代後半。生活保護を受けながら家賃滞納の“前科”がある上に、聞き取り調査では驚くべき発言も飛び出しました。
妹は「今の部屋の鍵がかからないから、アニメグッズとか100万円分くらい盗まれちゃった」と語り、姉は「そういうのもあって早く出たいんです」と付け加えました。
贖罪の道のりは続く
野田氏は、様々な困難に直面しながらも、ホームレス支援という形で贖罪の道を歩み続けています。彼の活動は、社会の光と影を浮き彫りにすると同時に、更生への希望も示唆していると言えるでしょう。