韓国大峙洞の過酷な受験戦争:トンカツ食べながら寝落ちする生徒も…

韓国で最も教育熱心な地域として知られるソウル・大峙洞(テチドン)。熾烈な受験戦争を繰り広げる学生たちの過酷な日常が、MBCの住宅情報番組「助けて!ホームズ」で特集され、大きな反響を呼んでいます。

受験生で賑わうトンカツ店で起きた出来事

番組では、大峙洞のハンティ駅近くにあるトンカツ店を取材。多くの学生が利用するこの店で、店主が語ったエピソードが視聴者の心を掴みました。

「お客さんはほとんど生徒です」と話す店主。最も印象に残っている客について尋ねられると、「トンカツを食べながら寝てしまった生徒がいました。机に伏せて1時間ほど眠っていました」と答えました。塾の時間までそのまま寝かせてあげたとのこと。

alt=机に突っ伏して眠る学生をイメージしたイラストalt=机に突っ伏して眠る学生をイメージしたイラスト

このエピソードに、出演者たちは「本当に切ない」「胸が痛む」とコメント。スタジオのキム・デホ氏は「寝たというより倒れた感じだ」、チュ・ウジェ氏も「半ば気絶状態だったのかもしれない」と、過酷な学習環境に置かれた学生たちの姿を案じました。 教育コンサルタントの朴氏(仮名)も「このような状況は、学生の心身に深刻な影響を与える可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

大峙洞の高騰する家賃事情

番組では、このトンカツ店の賃貸条件も公開。約86平方メートル(約26坪)で、保証金は1億5000万ウォン(約1700万円)、月々の家賃は1200万ウォン(約140万円)という高額ぶり。塾に近いほど家賃は高騰する一方、それだけ客足も途絶えないといいます。

教育熱心な街の光と影

大峙洞は、韓国屈指の教育都市として知られています。多くの有名大学への進学実績を誇り、優秀な学生が集まる一方で、激しい競争とプレッシャーにさらされる学生たちの姿も浮き彫りになっています。

大峙洞の活況は、韓国の教育熱の高さを象徴する一方で、学生たちの負担も増大している現状を改めて示しています。 子どもたちの健やかな成長を願う親の気持ちは理解できるものの、行き過ぎた教育競争は、子どもたちの未来を閉ざしてしまう可能性もあるのではないでしょうか。

未来を担う子どもたちのために

韓国社会全体で、子どもたちの心身の健康を第一に考えた教育環境の整備が求められています。 教育の専門家、金氏(仮名)は、「学力だけでなく、人間性を育む教育こそが重要だ」と提言しています。

この現状を打破するために、どのような対策が必要なのか、改めて考えてみる必要があるでしょう。