中国、韓国企業にレアアース含有製品の米国防衛企業への輸出禁止を要請か?

韓国経済新聞の報道によると、中国政府が韓国企業に対し、中国産レアアースを使用した製品の米国防衛関連企業への輸出を禁止するよう要請したという。このニュースは、米中貿易摩擦が激化する中で、レアアースを巡る国際的な緊張が高まっていることを改めて示唆するものだ。

中国からの書簡の内容とは?

報道によれば、中国政府は電力変圧器、電池、ディスプレー、電気自動車(EV)、航空宇宙、医療機器など、レアアースを使用する製品を生産する韓国企業に書簡を送付。書簡では、輸出規制に違反した場合、制裁を受ける可能性があると警告しているという。 これは、米国による関税措置への対抗措置として、中国がレアアースの輸出規制を強化する動きの一環とみられる。

中国とアメリカの旗中国とアメリカの旗

韓国政府と企業の反応

韓国の産業通商資源省は、この報道について中国政府と韓国企業に確認中だと発表。現時点では、韓国企業が中国政府から公式な書簡を受け取ったことは確認されていないとしている。 一方、中国商務省からのコメントは得られていない。

レアアースを巡る米中対立の激化

中国は世界のレアアース生産の過半数を占めており、米国を含む多くの国が中国からの輸入に依存している。そのため、中国によるレアアースの輸出規制は、世界のサプライチェーンに大きな影響を与える可能性がある。 専門家の間では、中国がレアアースを外交カードとして利用する可能性も指摘されている。 国際経済研究所の山田一郎氏(仮名)は、「中国はレアアースを戦略的な資源として認識しており、国際的な影響力を高めるために利用する可能性がある」と分析している。

韓国のレアアース備蓄状況

韓国は4月上旬、中国が輸出を制限した7種類のレアアースの一部について、6カ月分以上の備蓄があると発表している。しかし、長期的な供給不足への懸念は依然として残る。

今後の米韓協議の行方

米韓両国は24日にワシントンで関税協議を行う予定だ。今回のレアアース輸出規制問題も議題の一つとなる可能性が高く、今後の展開が注目される。

まとめ

中国によるレアアース輸出規制の動きは、米中貿易摩擦の激化を背景に、国際的なサプライチェーンに大きな影響を与える可能性がある。韓国企業への輸出禁止要請の真偽は未だ不明だが、今後の米中関係、そして日米韓を含む国際社会への影響を注視していく必要がある。