ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が88歳で逝去されました。世界中から追悼の声が寄せられ、サンピエトロ大聖堂には弔問客が長蛇の列をなしています。26日に行われる葬儀には各国の要人が参列予定ですが、なぜこれほど世界が注目しているのでしょうか?この記事では、その理由や葬儀にまつわる慣習、そしてフランシスコ教皇の人となりについて深く掘り下げていきます。
フランシスコ教皇、最後の弔問
サンピエトロ大聖堂に安置されたフランシスコ教皇の棺
バチカン市国サンピエトロ大聖堂では、フランシスコ教皇の遺体が安置され、多くの信者が弔問に訪れています。現地メディアの報道によれば、25万人もの参列者が見込まれているとのことです。世界中の人々が、最後の別れを告げようと集まっている様子が伺えます。
開いた棺への弔問:フランシスコ教皇の遺志
フタのない棺に安置されたフランシスコ教皇
フランシスコ教皇の棺は、故人の遺志によりフタがされていません。生前、華美な儀式を好まなかった教皇は、亡くなった後も信者たちに寄り添う姿勢を貫き、開いた棺で弔問を受けられるように指示していたといいます。このエピソードからも、彼の謙虚で温かい人柄が感じられます。宗教史に詳しい青山神学大学の神父、田中一郎氏(仮名)は、「これはフランシスコ教皇の、常に人々と共に歩むという姿勢の表れでしょう。葬儀においても、信者との距離を縮めたいという願いが込められているのではないでしょうか」と語っています。
枢機卿による儀式と一般弔問
23日には、フランシスコ教皇が暮らしていた「聖マルタの家」からサンピエトロ大聖堂へ棺を移す儀式が行われ、枢機卿によるミサが執り行われました。その後、一般弔問が始まり、深夜まで多くの信者が訪れました。24日、25日も引き続き一般弔問が行われています。
サンピエトロ大聖堂に集まる弔問客
フランシスコ教皇は、宗教の枠を超えて多くの人々に影響を与えた指導者でした。貧困や環境問題への取り組み、そして平和へのメッセージは、世界中の人々の心に深く刻まれています。葬儀は、故人の偉業を偲び、その精神を受け継いでいくための大切な機会となるでしょう。 カトリック信者ではない人々からも、その死を悼む声が数多く聞かれています。これは、フランシスコ教皇が宗教を超えた普遍的な価値観を体現していた証と言えるでしょう。
世界から注目される理由
フランシスコ教皇の葬儀が世界から注目される理由は、彼がカトリック教会の頂点に立つ人物であるというだけでなく、現代社会における精神的な支柱としての役割を果たしてきたからに他なりません。その温かい人柄と社会貢献への尽力は、世界中の人々から敬愛を集めていました。葬儀は、故人に敬意を表するとともに、その遺志を未来へ繋ぐための重要な儀式となるでしょう。