韓国「貿易赤字」IMF危機時より大きい? ドイツ・日本も赤字は共通現象


8月も5カ月連続赤字、累積額はIMF通貨危機時より大きいが 貿易規模増加により赤字比率は2.7%でIMF危機時の1/3水準 韓・独・日など製造業輸出国、「輸入増加型」赤字は共通現象

 22日、韓国関税庁の集計によれば、8月に入り20日までの輸出額(通関基準)は334億2400万ドルで、昨年同期より3.9%増えた一方、輸入額は436億4100万ドルで22.1%増加した。輸入増加率が輸出増加率を大きく上回り、貿易収支は102億1700万ドルの赤字を記録した。昨年同期(35億7900万ドル赤字)はもちろん、今月1~10日の赤字規模(76億7700万ドル)より大きくなった。今年の貿易収支は今年1月に続き、4~7月まで4カ月連続で赤字を記録中だ。

 品目別に見れば、主力輸出品である半導体が7.5%減少した。今月の半導体輸出が昨年同期より減少すれば、月間基準で2020年6月以来2年2カ月ぶりのこととなる。対中国の半導体貿易収支は先月まで3カ月連続赤字を記録したが、8月に入っても6億6700万ドルの赤字を記録している。

 輸入増加率は昨年6月から14カ月連続で輸出増加率を大きく上回っている。3大エネルギー源である原油(72億4400万ドル)、ガス(31億800万ドル)、石炭(21億3600万ドル)の合計輸入額が124億8800万ドルに達する。昨年同期(73億100万ドル)より71.0%増加した数値だ。

 これまで貿易赤字が最も大きかった年は、IMF通貨危機直前の1996年の206億ドルだ。IMF危機が迫った1997年の赤字額(84億ドル)より2倍以上多かった。危機の前兆だったわけだ。今年に入って今月20日までの累積貿易赤字は254億7千万ドルだ。IMF危機当時より赤字の絶対額は大きいが、相対比重は当時よりはるかに小さい。1996年、韓国の総輸出は1297億ドル、総輸入は1503億ドルで、206億ドルの赤字を出した。輸出入総額(2783億ドル)に対する貿易収支赤字比率は7.4%だ。

 今年の韓国の輸出入総額は1兆5千億ドルに迫ると予想される。1996年の輸出入総額と比較すると、貿易量が5.4倍に増えた。今年に入って今月20日までの輸出入総額は9145億ウォン、貿易収支赤字比率は2.7%だ。輸出入総額に対する赤字額の割合は、IMF危機時の3分の1の水準であるわけだ。

 貿易協会は、今年の年間貿易赤字規模を147億ドル、産業研究院は158億ドルとそれぞれ見通している。下半期に入ってエネルギー・穀物など原材料価格の急上昇が弱まり、貿易収支も上半期より改善されるとの見通しによる。両機関の予想通りならば、今年の貿易収支赤字比率は輸出入総額の1.8%程度になると見込まれる。

 最近の貿易赤字の流れは、製造業中心の輸出国が共通して経験している現象でもある。ドイツは、今年第2四半期の輸出が15.2%増加したが、輸入はその2倍の30.4%増えた。第2四半期の貿易黒字額は33.5億ユーロで、第1四半期の226億ユーロから急減した。昨年第2四半期(449億ユーロの黒字)と比較すると、10分の1を割り込んだ。

 日本は、第2四半期までの累積輸出増加率が15.2%だったのに対し、輸入増加率は38.5%にまで達した。昨年は年間の輸出(21.5%)・輸入(24.8%)の増加率は似たようなものだった。今年に入って貿易赤字はますます大きくなり、第2四半期までの累積赤字額は8兆円(約584億ドル)に達する。

 韓国も同じだ。輸出増加率は14.6%(7月末累積基準)だが、輸入増加率は25.6%に達する。昨年は年間輸出が25.7%、輸入が31.5%増加し、貿易収支は449億ドルの黒字だった。貿易協会の国際貿易通商研究院の関係者は、「主要輸出国でエネルギーやサプライチェーンを要因として輸入増加率が輸出増加率を大きく上回る現象が相次いでいる。下半期には相対的に安定するだろうが、米中紛争や半導体輸出などの変数により赤字幅がさらに増えることもありうる」と話した。

キム・フェスン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )



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