高知空港にF-35B緊急着陸から1ヶ月:長期化の理由と日本のF-35Bへの影響

アメリカ軍のステルス戦闘機F-35Bが高知龍馬空港に緊急着陸してから1ヶ月が経過しました。異例の長期滞在となっている現状、その原因や今後の見通しについて、専門家の見解を交えながら詳しく解説します。

F-35B緊急着陸:長期化の謎

F-35Bが高知龍馬空港に緊急着陸したのは、2024年3月25日のこと。当初は一時的な滞在と予想されていましたが、1ヶ月が経過した現在も、戦闘機は空港に留め置かれたままです。一体なぜ、これほど長期化しているのでしょうか?

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フジテレビ報道局特別解説委員の能勢伸之氏によると、米軍は輸送機で交換用のエンジンと噴射口を運び込み、テントを設置して交換作業を行ったとのこと。このことから、エンジンと噴射口に何らかの問題があったと米軍側も判断したと推測されます。

F-35Bの特殊性:整備の難しさ

長期滞在のもう一つの理由として、F-35Bという戦闘機そのものの特殊性が挙げられます。F-35Bは、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)が可能なタイプで、噴射口の向きを変えることで空中での停止や垂直着陸を実現します。

この複雑な機構が、整備を困難にしている要因の一つです。高知空港には民間機の整備員がいますが、F-35シリーズの整備には特殊な施設と技術が必要となるため、民間空港での対応は非常に難しいと能勢氏は指摘しています。そのため、修理完了の目処は立っておらず、「いつ飛び立つかはわからない」というのが現状です。

日本のF-35Bへの影響は?

能勢氏は、この事態が日本のF-35B導入計画にも影響を与える可能性を指摘しています。航空自衛隊はF-35Bの導入を開始しており、将来的には海上自衛隊の護衛艦「いずも」への搭載も予定されています。今後、同様の問題が発生する可能性も否定できないため、今回の事態を教訓として、万全の整備体制を構築していく必要があるでしょう。

専門家の見解:今後の展望

軍事・安全保障の専門家である能勢氏は、今回のF-35Bの緊急着陸と長期滞在は、日本の防衛戦略を考える上で重要な事例となると指摘しています。F-35Bの運用には、高度な技術と綿密な計画が必要であり、予期せぬトラブル発生時の対応策も事前に検討しておくことが重要です。

今回の件は、F-35Bの整備の難しさや、緊急時の対応の複雑さを改めて浮き彫りにしました。今後の日本のF-35B運用において、貴重な教訓となることは間違いないでしょう。