米大統領選への出馬を表明しているドナルド・トランプ前大統領が、FOXニュースとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を痛烈に批判しました。自身の支持率低迷を受け、焦りが募っているのでしょうか。
支持率低下の衝撃
FOXニュースが発表した世論調査によると、トランプ氏の関税政策に対する国民の支持は低迷しており、経済への悪影響を懸念する声が多数を占めています。ロイター通信とイプソスの世論調査でも、トランプ氏の経済政策を支持する米国人はわずか37%と、過去最低を記録。ギャラップの調査では、経済状況が悪化していると考える米国人が53%に達し、2001年以来の水準となりました。
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これらの結果を受け、トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、FOXニュースとWSJ、そして両メディアのオーナーであるルパート・マードック氏を名指しで批判。「FOXニュースは長年、私とMAGA運動について誤解を招くような報道を続けてきた」「WSJも中国寄りの姿勢を改めるべきだ」と不満を爆発させました。
メディア批判の背景
トランプ氏のメディア批判は、支持率低迷への焦りの表れとも interpretationsれます。特に、これまで比較的友好的な関係にあったFOXニュースからの批判は、トランプ氏にとって大きな打撃となったようです。
FOXニュースのリッチ・エドソン氏は、世論調査の結果について「有権者はトランプ氏の関税政策に懐疑的だ」とコメント。他のコメンテーターも、関税政策は中小企業に不安を与え、貿易協定の締結にも支障をきたしていると指摘しました。
これらの批判に対し、トランプ氏は「FOXニュースはマードック氏の指示で、意図的に私を貶めるような世論調査を実施している」と反論。WSJについても「中国の影響を受けている」と主張し、両メディアへの不信感をあらわにしました。
専門家の見解
メディア戦略コンサルタントの山田一郎氏は、トランプ氏のメディア批判について「支持率低迷による焦りの表れ」と分析。「支持基盤の保守層にアピールするため、FOXニュースなどの主要メディアを攻撃することで、自らの正当性を主張しようとしている」と指摘します。
今後の展望
トランプ氏は、今後もメディア批判を続ける可能性が高いとみられています。しかし、度重なる批判は、かえって有権者の反感を買う可能性も否定できません。今後の大統領選に向け、トランプ氏のメディア戦略がどのような影響を与えるのか、注目が集まります。
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トランプ氏とマードック氏の間には、過去にも確執があったことが知られています。トランプ氏は、ニューヨーク・ポスト紙が自身の大統領選出馬を嘲笑したことをめぐり、マードック氏を「クソ野郎」呼ばわりしたことも。一方、マードック氏もドミニオン社との名誉毀損訴訟の記録の中で、トランプ氏を「クソバカ」と評しています。
このように複雑な関係にある両者ですが、マードック氏は今年2月、ホワイトハウスを訪れ、トランプ氏と会談しています。今後の両者の関係、そしてそれがメディア報道にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。