日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発を管理する国際機関「GIGO(ジャイゴ)」が7日、英南部レディングに正式に開設された。英国のイーグル国防調達・産業担当閣外相は開設式後、2035年に予定する初号機の配備に向けて「試作機を3年以内に飛行させたい」と述べた。
ジャイゴの初代トップである首席行政官には岡真臣・元防衛審議官が就いた。開設式では、イーグル氏が「3カ国の政府と産業界から最高の人材が集まる拠点となる。新たな、そして進化する脅威に対抗するため、革新的な技術を備えた戦闘機を開発する」とあいさつし、関係者によるテープカットが実施された。
次期戦闘機の共同開発計画は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」と呼ばれ、サウジアラビアが資金提供で参画することも検討されている。サウジの参画について、イーグル氏は「(日英伊は)パートナーシップ拡大の可能性について開かれた姿勢だが、どの国であっても参画を認めるかどうかは3カ国の合意が必須になる」と明言を避けた。
GCAPを巡っては、次期戦闘機の設計、開発などを担う日英伊3社による合弁会社「エッジウィング」も6月に設立された。三菱重工業などが出資する「日本航空機産業振興株式会社(JAIEC)」、英防衛大手BAEシステムズ、イタリア防衛大手レオナルドの3社が共同出資する。【レディング(英南部)福永方人】