亡くなった母が最近まで住んでいた、築80年の平屋。そこから出てきたのは、45リットルのゴミ袋“1800袋分のモノたち”だった。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信するゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)代表の二見文直氏に、「実家じまい」に途方に暮れている子世代の現実を聞いた。
動画:「これが現実」築80年の実家じまい…1800袋のゴミと大型家具の片付けに密着!
■「ゴミ袋1800袋分」も何があったのか?
築80年とあって、家のつくりはかなり古い。部屋の数は和室が4つだが、そのほかに「部屋」と呼んでもいいくらいの広さがある畳の間と床の間が計3つある。
片付けの依頼をしてきたのは、この家に1人で住んでいた高齢女性の子ども夫婦。住人は天寿をまっとうした。この古くて広い家はもう使い道がないので処分するのだという。
とはいえ、家自体は相当古いため、価値は付かないはずだ。買い取った業者が解体後、土地を第三者に明け渡すことになるだろう。
現場に入ったスタッフは総勢7名と普段の片付けよりも大所帯だった。というのもこの家、処分するモノの量がかなり多いからだ。冒頭にも記したように、実にゴミ袋1800袋分。この数はやはり、ほかの現場と比べても多いほうだという。
【写真】「類を見ないほどモノが多い…」“変わり果てた実家”が2日間でスッキリ! 【生まれ変わった部屋を見る】(47枚)
「一軒家の“モノ屋敷”の片付けだと、大体ゴミ袋800袋くらいが平均かと思います。築80年のお家なので、おそらく80年分のモノが溜まっていることになる。作業前からかなり量が多くなると予想していました。洋服ダンスの中には服やら小物やらたくさん入っています。このタンス1つでも10袋くらいにはなるでしょうね」(二見氏、以下同)
もっともモノが多かった和室には、ダンボール箱と紙袋が散乱していた。紙袋の中にはチラシ、小物などのゴミがまとめられ、それがいたるところに積み上げられている。また、ドレッサーや洋服ダンスなど、大型家具も多い。指でホコリがすくえるほど、長い間触れてもいなかったようだ。