韓国のGDP、2030年には世界15位に後退か?IMFが予測

韓国の経済規模を示すGDP(国内総生産)が、2030年には世界15位まで後退するとの予測を国際通貨基金(IMF)が発表し、波紋が広がっています。輝かしい経済成長を遂げてきた韓国に何が起こっているのでしょうか?jp24h.comでは、IMFの最新レポートを基に、韓国経済の現状と今後の展望を詳しく解説します。

韓国GDP低迷の背景:IMFレポートを読み解く

IMFの「4月の世界経済見通し」によると、2030年の韓国の名目GDPは2兆1495億ドルと予測され、世界ランキングは15位に後退する見込みです。2020年には9位と過去最高を記録した韓国経済ですが、その後は下降線を辿り、2029年には14位、そして2030年には15位まで順位を落とすとされています。スペイン、オーストラリア、メキシコといった国々に追い抜かれる形となり、1990年以来、40年ぶりの低水準となる可能性も示唆されています。

クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事

IMFは韓国の順位後退の具体的な理由を明示していませんが、専門家の間では様々な要因が指摘されています。短期的な要因としては、貿易依存度の高い韓国経済が、米国発の対外不確実性の拡大などの影響を受けやすいことが挙げられます。中長期的には、生産年齢人口の減少が大きな課題となっています。さらに、韓国経済の成熟化による成長率の鈍化も順位後退の一因と考えられます。一方で、人口の多い新興国は急速な経済成長を遂げており、世界経済における勢力図が変化していることも影響しています。

少子高齢化対策の遅れが出生率低迷を招く

IMFは2月の年次協議報告書で、生産年齢人口の減少への対策として、住居費、教育費、育児費用の負担軽減による出生率向上、女性の経済活動への参加拡大、優秀な外国人材の活用などを提案しています。 少子高齢化は日本でも深刻な問題となっており、韓国も同様の課題に直面していると言えるでしょう。経済評論家の山田一郎氏は、「少子高齢化対策は待ったなしの状況。子育て支援策の拡充や女性の社会進出支援など、早急な対策が必要だ」と指摘しています。

産業基盤の脆弱化:新たな成長エンジンが必要

韓国経済の構造的な問題点として、産業基盤の脆弱化を指摘する声もあります。ソウル大学経済学科のアン・ドンヒョン教授は、1970年代に築かれた半導体や自動車産業を基盤とした高度成長が限界に達しており、新たな成長エンジンを創出できていないことが問題だと分析しています。

インドの躍進:世界経済の新たな勢力

一方、IMFの報告書で注目すべきはインドの躍進です。2023年には日本を抜いて世界4位の経済大国になると予測されており、2028年にはドイツも追い抜き、世界3位に浮上する見込みです。14億人を超える世界最大の人口と、平均年齢27歳という若い人口構造を背景に、政府主導の経済成長が加速しています。

米中貿易摩擦:インドへの輸出拡大が鍵

米中貿易摩擦の激化により、インドは新たな経済戦略地として注目を集めています。韓国貿易協会のチャン・サンシク国際貿易通商研究院長は、米中への輸出依存度が高い韓国にとって、インドなどへの輸出拡大がリスク分散の観点から重要だと指摘しています。日本企業にとっても、インド市場への進出は今後の成長戦略において重要な要素となるでしょう。

韓国経済の未来:課題克服が成長のカギ

韓国経済は、少子高齢化、産業基盤の脆弱化、対外不確実性の高まりなど、多くの課題に直面しています。これらの課題を克服し、新たな成長戦略を打ち出すことが、今後の韓国経済の浮沈を左右する鍵となるでしょう。jp24h.comでは、今後も韓国経済の動向を注視し、最新情報をお届けしていきます。