音楽とウィンタースポーツの融合で話題沸騰中の「Snow Machine(スノーマシーン)」、日本にいながら海外フェス体験ができるとして人気を集めています。しかし、その華やかな舞台の裏には、光と影が存在するようです。今回は、白馬村とニセコでの開催の様子をレポートし、その実態に迫ります。
Snow Machineとは?
ニュージーランドのクィーンズタウン発祥の「Snow Machine」は、アルパイン・ミュージック&スキーフェスティバルとしてスタートしました。日本では2020年3月に白馬村で初開催され、「日本人がいない日本のフェス」としてSNSで話題を呼びました。その後も白馬村、そして2024年3月にはニセコにも進出し、大盛況を博しています。
白馬村でのSnow Machineの様子
経済効果と国際的な広がり
主催者によると、白馬村では約15億円、ニセコでは約9億円の経済効果を生み出したとのこと。参加者の約8割が海外からの来場者で、30カ国以上から音楽と雪、そして日本の文化を求めて訪れています。まさにインバウンド特需の立役者と言えるでしょう。オーストラリアを拠点とする主催者関係者も、世界最高峰の雪と日本の食文化の融合が高評価を得ていると語っています。
地元住民の声:課題と摩擦
一方、華やかな成功の裏には、地元住民との摩擦も生まれています。白馬村在住のスノーボーダーは、外国人スキーヤーの多さや、トラブル回避のために飲食店やコンビニが営業時間を短縮せざるを得ない状況を指摘。過去のSNSやブログには、初開催時に発生した器物破損や迷惑行為の報告も見られます。
白馬村在住者の声
白馬村在住のオーストラリア人は、数千人の酔っ払いによる騒音やゴミ問題、軽犯罪の増加など、経済効果よりもマイナス面が多いと懸念を示しています。また、イベント期間中の白馬村を楽しめなかったという観光客の声も紹介し、村のブランドイメージへの影響を心配しています。
Snow Machineの賑わい
ニセコ・倶知安観光協会の声
ニセコ・倶知安観光協会も、騒音苦情や事前の準備不足、手続きの遅延などを指摘し、主催者側に改善を申し入れています。今後の開催においては、適切な運営管理を求めています。
主催者側の対応と今後の展望
主催者側は、騒音苦情に対しては音量調整で対応したと説明。また、セキュリティガードの配置や清掃チームの運営など、地域への配慮も実施したと主張しています。「Snow Machine」を通じて日本の魅力を世界に発信し、持続的な観光客誘致につなげたいというビジョンを掲げています。
地元住民の声に耳を傾け、改善策を講じる姿勢を示している主催者側。しかし、真の共存共栄を実現するためには、地域住民との継続的な対話と相互理解が不可欠です。今後の「Snow Machine」が、地域と調和しながら更なる発展を遂げることを期待したい。