李在明氏、韓国野党代表選で圧勝!次期大統領選へ向け「民主主義の復元」を誓う

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の次期大統領選に向けた代表選が2025年10月27日、ソウル近郊の高陽市で行われ、李在明前代表が圧勝しました。党員投票と世論調査を合わせた結果、89.77%という驚異的な得票率で、他の候補を大きく引き離し、党の顔として次期大統領選に臨むこととなりました。

圧倒的な勝利で盤石の体制へ

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の大統領選公認候補に選出され、拳を突き上げる李在明前代表韓国の革新系最大野党「共に民主党」の大統領選公認候補に選出され、拳を突き上げる李在明前代表

今回の予備選では、金東※(※ナベブタに兌)京畿道知事と金慶洙前慶尚南道知事が李氏に挑戦しましたが、得票率はそれぞれ6.87%、3.36%にとどまりました。韓国メディアによると、李氏の得票率は予備選における過去最高記録とのこと。前回の2022年大統領選では、わずか0.73ポイント差で尹錫悦氏に敗北を喫した李氏ですが、その後党代表として2024年4月の総選挙で大勝に導き、国会の単独過半数を確保。「一強体制」を築き、今回の圧勝劇へと繋げました。

「民主主義の復元」と「国民統合」を訴え

受諾演説で李氏は、尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言に端を発した混乱に触れ、「内乱の克服」と「民主主義の復元」を強く訴えました。国民の分断を癒し、真の統合を実現するためには、民主主義の基盤を再構築することが不可欠であると主張し、国民からの支持拡大を目指します。

実用主義に基づく外交政策

李氏は「実用主義」を掲げ、理念よりも現実的な利益を重視する姿勢を示しています。これまで尹政権の対日融和政策を批判してきたものの、大統領選が近づくにつれ、無党派層へのアピールを意識し、日本や米国との協調路線へと舵を切りました。予備選では過激な発言を避け、「日本とは大局的に見れば協力が必要だ」と述べ、バランスのとれた外交政策を展開する意向を示唆しています。 韓国の政治情勢に詳しい専門家、朴智星氏は「李氏の現実路線への転換は、無党派層を取り込むための戦略的な動きと言えるでしょう。今後の日韓関係にも大きな影響を与える可能性があります」と分析しています。

韓米同盟を基軸とした国際協調

李氏は、韓米同盟を尊重しつつ、日米韓3カ国間の協力を強化していく方針を示しています。同時に、中国やロシアとの関係も適切に管理していく必要性を強調し、国際社会における韓国の役割を積極的に担っていく姿勢を明確に打ち出しました。

次期大統領選への展望

世論調査機関「韓国ギャラップ」の2025年10月25日発表の調査によると、李氏の支持率は38%と、保守系与党「国民の力」の有力候補である韓東勲前代表(8%)や洪準杓前大邱市長(7%)を大きくリードしています。

しかし、支持率が40%の壁を越えられていない現状から、無党派層への支持拡大が今後の課題と言えるでしょう。 政治評論家の金美淑氏は「李氏にとって、無党派層の支持獲得は次期大統領選勝利への鍵となるでしょう。今後の選挙戦略が注目されます」と述べています。

国民の期待と不安

李氏の圧勝は、国民の政権交代への期待の高まりを反映していると言えるでしょう。しかし、同時に、その急進的な政策に対する不安の声も存在します。今後の動向次第で、韓国政治の行方が大きく左右されることは間違いありません。