高市早苗氏、台湾で日台安全保障協力の重要性を強調

台湾を訪問中の高市早苗前経済安全保障担当相は、28日に台北市で開催された国際政治経済フォーラムで演説を行いました。海洋進出を強める中国を念頭に、日台間の安全保障協力の重要性を訴えました。本稿では、高市氏の発言内容と日台関係の現状について詳しく解説します。

高市氏、防衛力強化と日台連携を呼びかけ

高市氏は演説の中で、「台湾も日本もこれから互いに防衛力は強くしていかなければならない。ただし1カ国だけで守り切れるかといえばそれは確実ではない」と述べ、日台が安全保障面で協力を強化していく必要性を強調しました。

高市早苗前経済安全保障担当相が台湾のフォーラムで演説する様子高市早苗前経済安全保障担当相が台湾のフォーラムで演説する様子

中国の軍事力増強が進む中、日本と台湾は共に第一列島線上に位置し、地政学的に重要な役割を担っています。高市氏の発言は、中国の脅威に対抗するためには、日台間の連携が不可欠であるという認識を示すものです。

経済安全保障分野での協力も視野に

高市氏は防衛面での協力に加え、サプライチェーン(供給網)の強化など経済安全保障分野での協力についても言及しました。半導体やレアアースなど、重要な物資の安定供給確保は、日台の経済にとって極めて重要です。

日台間の経済連携を強化することで、中国への依存度を低減し、経済的なリスクを軽減することができます。高市氏は「人的な交流と情報交換の強化」を呼びかけ、日台間の更なる連携強化を目指しています。

専門家の見解:日台連携の深化は必然

国際政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「中国の台頭により、日台関係は新たな局面を迎えている。安全保障と経済の両面で、日台間の協力関係を深化させることは必然的な流れと言えるだろう」と指摘しています。

高市氏、頼清徳総統と会談へ

高市氏は黄川田仁志、尾崎正直両衆院議員や佐藤啓参院議員らと27日から3日間の日程で台湾を訪問しています。28日には頼清徳総統と会談を行いました。

台湾当局や台湾メディアは、安倍晋三元首相の路線を継承する将来の首相候補として高市氏の訪台を重視しています。台湾の外交部(外務省に相当)は高市氏らの訪台を「心から歓迎」する声明を発表し、高市氏を「安全保障と経済に精通している」と高く評価しています。

今回の訪台は、日台間の連携強化に向けた重要な一歩となることが期待されます。

日台関係の未来

高市氏の訪台は、日台関係の深化を象徴する出来事と言えるでしょう。中国の軍事力増強が続く中、日台は安全保障や経済の分野で協力関係を強化していくことが不可欠です。

今後、日台間でどのような協力が具体化していくのか、注目が集まります。