「健康のつもりで飲んでたのに…」糖尿病リスクを高める「意外な飲み物」とは?【11万人のデータを解析】


 ダイエット飲料や超加工食品に使われている添加物が、2型糖尿病のリスクを高めることを示唆するデータが報告された。フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のMarie Payen de la Garanderie氏らの研究の結果であり、詳細は「PLOS Medicine」に4月8日掲載された。複数の添加物による相互作用が、リスク上昇に関与している可能性があるという。

 約11万人を対象に行われたこの研究によると、人工甘味料入り飲料によく含まれている添加物の混合物(添加物の組み合わせ)は2型糖尿病のリスクを13%増加させ、同様にスナックなどの超加工食品に含まれている添加物の混合物は、リスクを8%増加させることが明らかになった。

 de la Garanderie氏は、「多くの製品に含まれているいくつかの添加物はしばしば同時に摂取されるが、そのような同時摂取が2型糖尿病のより高いリスクと関連していることが示唆される」と解説。「これらの添加物は修正可能なリスク因子といえ、2型糖尿病予防の新たな戦略への道を開く可能性がある」と付け加えている。

 この研究では、フランスで行われている長期縦断疫学研究の参加者10万8643人(平均年齢42.5±14.6歳、女性79.2%)を、平均7.7±4.6年間追跡したデータが解析に用いられた。参加者は、追跡開始時とその後は半年ごとに、3日間(連続していない平日2日と休日1日)、24時間の食事記録をつけ、追跡開始後最初の2年間のその記録を基に、食品添加物などの摂取量が評価された。

 追跡期間中に1131人が、新たに2型糖尿病と診断されていた。解析の結果、5種類の食品添加物混合物のうち2種類が、2型糖尿病発症リスクの有意な上昇と関連していた。

 その混合物の一つはダイエット飲料に使用されることのある添加物で、酸味料・酸度調整剤(クエン酸、リン酸、リンゴ酸など)、着色料(カラメル、アントシアニンなど)、甘味料(アスパルテーム、スクラロースなど)、乳化剤(ペクチン、グアーガムなど)、コーティング剤(カルナバワックス)で構成されていた。

 もう一つの混合物は、さまざまな超加工食品に使用されることのある添加物で、乳化剤(加工デンプンなど)、保存料(ソルビン酸カリウム)、着色料(クルクミン)で構成されていた。

 研究者らは、「われわれの知る限り、この研究結果は、同時に摂取されることが多い食品添加物と2型糖尿病リスクに関する、初めての知見である」と述べている。ただし、「なぜこれらの添加物の混合物が2型糖尿病リスクを高めるのかを理解するには、さらなる研究が必要」とコメントしている。

 de la Garanderie氏は、「因果関係を証明するには、この観察研究の結果だけでは不十分だ。とはいえ、実験室内で行われた最近の研究では、さまざまな添加物が相互に影響を及ぼし合う『カクテル効果』が発生する可能性が示唆されており、われわれの研究結果はそれと一致するものだ」と述べている。(HealthDay News 2025年4月9日)

 https://www.healthday.com/health-news/diabetes/diet-drinks-processed-foods-might-increase-type-2-diabetes-risk

 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.

ヘルスデーニュース



Source link