近年、SNSで「猫の無償譲渡」を謳いながら金銭を騙し取る悪質な詐欺事件が急増しています。この記事では、その手口や事例、そして被害に遭わないための対策を詳しく解説します。大切な命を軽視する卑劣な犯罪から、自身と愛猫を守るための知識を身につけましょう。
猫の無償譲渡詐欺の手口とは?
SNS上で「猫舎閉鎖のため」「飼育困難のため」など様々な理由で猫の無償譲渡を謳う投稿が目立ちます。一見親切な申し出に見えますが、実は巧妙な罠が仕掛けられているケースが増えています。代表的な手口は以下の通りです。
無償を謳いながら費用を請求
「猫自体は無償だが、餌代やワクチン接種費用、輸送費などを負担してほしい」と要求してきます。金額は数万円程度と比較的少額であることが多く、つい支払ってしまう人も少なくありません。
架空の住所や団体名を利用
受け渡し場所として、実在しない住所や無関係の保護団体名を提示するケースが報告されています。実際に指定された場所に行ってみると、当然猫も譲渡者も存在せず、連絡も取れなくなってしまうのです。
焦りを誘う巧妙な話術
「すぐに引き取れる人限定」「先着順」など、応募者を焦らせて冷静な判断力を奪うような言葉巧みな誘導を行います。一刻も早く猫を助けたいという善意につけ込み、詐欺行為を働いているのです。
実際の被害事例
大阪府の猫保護団体「ねこから目線。」では、身に覚えのない猫の引き渡しを求める人が突然事務所を訪れるという事件が発生しました。これは、詐欺グループが無断で団体の住所を受け渡し場所として指定していたことが原因です。小池英梨子代表は「間違いなく詐欺だと思う。非常に腹立たしい」と憤りを露わにしています。(出典:FNNプライムオンライン)
猫の保護活動の様子
他にも、東京都内でも同様の被害が報告されており、社会問題となっています。
猫の無償譲渡詐欺に遭わないために
このような悪質な詐欺から身を守るためには、以下の点に注意することが重要です。
安易に「無償」という言葉に飛びつかない
どんなに魅力的な申し出でも、譲渡条件をよく確認し、不審な点があれば必ず質問しましょう。
直接会って譲渡を受ける
ビデオ通話などで猫の状態を確認することはできますが、最終的には必ず対面で譲渡を受けましょう。譲渡者の身元を確認し、契約書を交わすことも大切です。
少しでも怪しいと感じたら取引を中止する
少しでも違和感を感じたら、取引を中止し、警察や消費者センターに相談しましょう。
信頼できる団体からの譲渡を検討する
動物愛護センターやNPO法人など、信頼できる団体からの譲渡を検討することも一つの方法です。
まとめ
猫の無償譲渡詐欺は、動物を愛する人々の善意を悪用した卑劣な犯罪です。この記事で紹介した手口や対策を参考に、被害に遭わないよう十分に注意してください。安心して愛猫を迎え入れるためにも、正しい知識を身につけることが大切です。