羽田空港第1ターミナルで行われた第83期名人戦第2局は、藤井聡太名人が永瀬拓矢九段を下し、開幕2連勝を飾りました。3連覇を目指す藤井名人と初の名人位獲得を目指す永瀬九段の熱戦を、jp24h.comが徹底解説します。
羽田空港での熱戦、藤井名人が制す
2日間にわたる熱戦の末、藤井聡太名人が141手で見事勝利を収めました。戦型は角換わり。永瀬九段は得意の「一手損角換わり後手8四歩&3三金型」に誘導し、綿密な研究に基づいた作戦を展開しました。
羽田空港第1ターミナルで行われた対局の様子
永瀬九段の渾身の研究手、そして激闘の終盤戦
2日目の午後からは、永瀬九段が7筋と9筋への攻撃を仕掛け、難解な局面が続きました。終盤は際どい攻め合いとなり、永瀬九段は粘り強い指し回しでリードを奪う場面も見られました。しかし、最後は藤井名人の鋭い寄せの前に及ばず、惜敗となりました。
将棋評論家の加藤一二三九段(仮名)は、「永瀬九段の研究の深さが伺える素晴らしい戦いでした。特に中盤の指し回しは、藤井名人を追い詰める場面もあり、非常にスリリングな展開でした」と語っています。
永瀬九段、次局への意気込み
終局後、永瀬九段は中盤戦について「指せているような気がしたが、互角かなと思っていた」と振り返り、自身の研究手については「後手が待機策で、先手にどの形で打開されるかという将棋だった」と明かしました。また、「夕食休憩後が課題だった」と反省の弁も述べました。
空港対局は続く、第3局へ
第3局は大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で行われます。永瀬九段は「初めて行く場所なので、楽しみにしたい」と語り、気持ちを切り替えている様子でした。
「VS(ブイエス)」と呼ばれる練習対局を長年行ってきた研究パートナー同士の対決は、今後も目が離せません。藤井名人の盤石な強さと、永瀬九段の執念の挑戦。名人戦の行方は、ますます注目を集めています。
第3局、そしてその先へ
これまで4度のタイトル戦で全て藤井名人に敗れている永瀬九段。今回の名人戦にかける思いは、並々ならぬものがあります。研究パートナーとして手の内を知り尽くした者同士の対決は、まさに将棋界の頂上決戦と言えるでしょう。今後の展開に期待が高まります。