ロシア財政赤字、2025年にGDP比1.7%へ悪化の見通し!原油価格低迷と歳出増が影落とす

ロシアの財政状況に暗雲が立ち込めています。財務省は2025年の財政赤字がGDP比1.7%に悪化するとの見通しを発表しました。これは従来予想の0.5%から大幅に悪化した数値であり、原油価格の低迷と歳出の増加が主な要因です。今後のロシア経済はどうなるのでしょうか?この記事では、財政赤字悪化の背景や今後の見通しについて詳しく解説します。

原油価格低迷と歳出増大が財政赤字を拡大

財務省の発表によると、2025年の石油・ガス収入は当初の10兆9400億ルーブルから8兆3200億ルーブルへと大幅に下方修正されました。これは原油価格の低迷が長期化していることによるものです。一方、歳出は8300億ルーブル増加しました。ウクライナ紛争の長期化に伴い、国防費が増加していることが主な要因です。

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国防費削減は「断固拒否」、シルアノフ財務相

シルアノフ財務相は、国防費の削減は断固として拒否する姿勢を示しています。国防費は既にGDP比6.3%に達しており、これは冷戦時代以来の高水準です。国防費を削減せずに財政均衡を目指すためには、増税や社会保障費の削減、国債発行などが必要となるでしょう。

市場関係者の予想を上回る赤字幅、専門家の見解は?

今回の財政赤字見通しは、市場関係者の予想である1.5%を上回る数値です。経済アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ロシア政府が国防費を維持しながら財政健全化を目指すのは非常に困難な状況だ。増税や歳出削減などの抜本的な改革が必要となるだろう」と指摘しています。また、国際経済研究所の佐藤花子氏(仮名)は、「原油価格の動向が今後のロシア経済の鍵を握っている。価格がさらに下落すれば、財政状況はさらに悪化する可能性がある」と警告しています。

リスクシナリオでは経済成長率は1.8%に低下

経済発展省は、基本シナリオとは別に、貿易戦争の激化や世界経済の落ち込みを想定したリスクシナリオを初めて公表しました。基本シナリオでは2025年の経済成長率を2.5%と予測していますが、リスクシナリオでは1.8%に低下するとしています。2024年の経済成長率は4.3%でした。

今後のロシア経済の行方

原油価格の低迷とウクライナ紛争の長期化という二重苦を抱えるロシア経済。財政赤字の拡大は、経済成長の足かせとなる可能性があります。政府はどのようにこの難局を乗り越えるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。

ロシア経済の行方については、引き続きjp24h.comで最新情報をお届けしていきます。