トランプ前大統領が、インド、韓国、日本との貿易交渉について「ディール(取引)の可能性」を示唆しました。しかし、現行の関税政策で米国が優位に立っていると主張し、交渉を急ぐ必要はないとの強気の姿勢を崩していません。
米国有利の立場を強調、交渉焦らず
2025年4月30日、ワシントンで行われたテレビネットワーク「ニュースネイション」のタウンホールにて、トランプ前大統領は日印韓3カ国との貿易交渉について言及しました。
前大統領は、3カ国との合意発表時期に関する質問に対し、「ディールの可能性はある」と回答。同時に、「私はあなた方(メディア)ほど急いでいない」と述べ、交渉を急ぐ姿勢は見せませんでした。
トランプ前大統領(2025年撮影)
その背景には、自身が導入した関税政策によって米国が経済的に有利な立場にあるという認識があります。前大統領は「われわれは有利な立場にいる。これらの国はわれわれを必要としている。われわれにはそれらの国は必要ない」と語り、強気の姿勢を強調しました。
過去の貿易摩擦と今後の展望
トランプ政権下では、日本を含む各国との間で貿易摩擦が頻発しました。自動車関税や為替操作国指定など、厳しい姿勢で交渉に臨む姿が印象的でした。
今回の発言も、こうした過去の姿勢を踏襲するもので、今後の貿易交渉の行方が注目されます。 専門家の中には、この発言は国内向けの政治的パフォーマンスという見方をする人もいます。 例えば、国際経済アナリストの山田太郎氏は「選挙を意識した発言の可能性が高い。実際には、相互依存関係にあるため、完全な一方的な有利な状況は考えにくい」と指摘しています。
日印韓への影響は?
日本、インド、韓国にとって、米国は重要な貿易相手国です。トランプ前大統領の発言は、今後の経済政策に影響を与える可能性があります。3カ国は、今後の動向を注視していく必要があるでしょう。 特に、日本にとっては自動車産業への影響が懸念されます。 経済ジャーナリストの佐藤花子氏は「日本は、米国市場への依存度が高いため、慎重な対応が必要だ。多角的な貿易戦略を強化することで、リスクを分散する必要がある」と提言しています。
まとめ
トランプ前大統領は、日印韓との貿易交渉で「ディールも可能」と発言しながらも、強気の姿勢を崩していません。今後の交渉の行方、そして日本経済への影響に注目が集まります。