オーストラリアで5月3日に行われた下院総選挙(定数150、任期3年)で、労働党が単独過半数の議席を獲得し、アルバニージー首相(62)の続投が決定しました。物価高や住宅難といった国民生活に直結する課題への対策を打ち出し、逆風を乗り越えての勝利となりました。
アルバニージー首相、国民への感謝を表明
シドニーで行われた勝利宣言で、アルバニージー首相は「地球上で最も素晴らしい国に仕え続ける機会を与えてくれた国民に感謝する」と述べ、喜びを露わにしました。
オーストラリア・シドニーで手を振るアルバニージー首相
首相は家族と共に投票を行い、国民の声に真摯に耳を傾ける姿勢を強調しました。
家族と共に投票をするアルバニージー首相
保守連合は記録的惨敗、トランプ氏に類似した政策が裏目に
一方、中道右派の最大野党勢力である保守連合は記録的な惨敗を喫しました。政府職員の在宅勤務禁止といった、トランプ前米大統領を彷彿とさせる政策が有権者の反感を買ったとみられています。また、首相候補のダットン自由党党首の度重なる失言も支持離れに拍車をかけました。保守連合が掲げた原発解禁も、巨額なコストが批判の的となり、国民の支持を得ることができませんでした。
シドニーの投票所では、多くの有権者が未来への期待を胸に一票を投じました。
シドニーの投票所で投票する有権者
世界的な「反トランプ」現象、豪州にも波及か
先月行われたカナダ総選挙でも、トランプ氏に類似した政策を掲げた保守党が敗北しており、世界的な「反トランプ」現象がオーストラリアにも波及した可能性が指摘されています。アルバニージー首相は勝利宣言の中で、「他国の政策を模倣する必要はない」と強調し、独自の政策を推進していく姿勢を明確にしました。
ダットン党首、敗北を認めアルバニージー首相に祝意
ダットン党首はアルバニージー首相に電話で祝意を伝え、敗北を認めました。ダットン氏自身も下院で落選が確実視されています。
専門家の見解
政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の選挙結果は、有権者が物価高や住宅難といった現実的な問題解決を重視していることを示している。保守連合の政策は、国民のニーズと乖離していたと言えるだろう」と分析しています。
まとめ
今回のオーストラリア総選挙は、労働党の勝利で幕を閉じました。アルバニージー首相は、国民生活の安定に向けた政策を推進していくことが期待されています。今後のオーストラリア政界の動向に注目が集まります。