ロシア国内で相次ぐ爆破事件。今度は電子戦システム開発の責任者が犠牲になったとウクライナとロシアのメディアが報じています。ウクライナ侵攻を支えるロシア軍の重要人物が、再び標的となった可能性が浮上し、波紋が広がっています。一体何が起こっているのでしょうか?
電子戦システム開発の責任者、謎の爆破で死亡か
ウクライナメディアRBCウクライナによると、ウクライナ国境に近いブリャンスク市で、電気機械工場の責任者エフゲニー・リティコフ氏が死亡したとのこと。ウクライナ軍からの情報とされていますが、ウクライナ国防省は公式なコメントを控えています。
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リティコフ氏は、ロシア軍向けの先進的な電子戦・電子偵察システムを開発するブリャンスク電気機械工場の設計局長を務めていたとされています。特に、航空機搭載レーダーを無力化する電子戦システム「クラスハ」の製造に深く関わっていたという情報も。このシステムは、防空システムや指揮所、ミサイル発射施設など、軍事拠点の防衛に重要な役割を果たすとされています。
高度な技術を持つ標的、背後にウクライナの影?
RBKの報道によれば、4月17日夜、ブリャンスク市ベジツキー区でリティコフ氏が同僚と車に乗り込んだ直後、爆発が起きたとのこと。金属片を含む即席爆発物が仕掛けられていたとみられ、リティコフ氏と同僚は即死したと報じられています。
ロシア国内では、軍関係者を狙ったとみられる攻撃が相次いでいます。4月25日にはモスクワ近郊でロシア軍参謀本部作戦総局の副局長が、2024年12月には核・生物・化学兵器部隊の司令官が、いずれも爆破事件で死亡しています。これらの事件と今回のリティコフ氏の死亡に関連性があるのか、捜査の行方が注目されます。
軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「ウクライナは公式に認めていないものの、ロシア国内の重要人物を狙った攻撃を継続的に行っている可能性が高い」と指摘します。「こうした攻撃は、ロシア軍の士気を低下させ、ウクライナ侵攻の足止めを狙ったものと考えられる」。
真相究明が待たれる中、不安と緊張が高まる
一連の事件について、ウクライナ政府は公式な関与を否定しています。しかし、ロシア国内ではウクライナの特殊部隊による犯行との見方が強まっており、緊張が高まっています。
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2024年10月には、ロシア占領下のルハンスク州でロシア軍少佐が、同年7月にはモスクワでロシア軍情報将校が、それぞれ自動車爆弾攻撃の標的となっています。 これらの事件の背景には何があるのか、真相究明が待たれます。
これらの事件は、ウクライナ紛争の新たな局面を示唆しているのかもしれません。今後の展開に、世界中が注目しています。