広末涼子さんが芸能活動を休止し、双極性感情障害と甲状腺機能亢進症の診断を公表したというニュースは、多くの人々に衝撃を与えました。今回は、この2つの疾患について、専門家の解説を交えながら詳しく見ていきましょう。精神疾患への理解を深め、広末さんの一日も早い回復を願うとともに、同様の病と闘う方々への支援の輪を広げるきっかけになれば幸いです。
双極性感情障害とは?
双極性感情障害は、気分が極端に上下する精神疾患です。「躁状態」と呼ばれる気分が高揚し活動的になる時期と、「うつ状態」と呼ばれる気分が落ち込み意欲が低下する時期を繰り返します。精神科医の佐藤先生(仮名)は、「躁状態では、気分が高揚するだけでなく、睡眠時間が短くなったり、衝動的な行動が増えたりすることもあります。一方、うつ状態では、強い倦怠感や食欲不振、不眠などの症状が現れます」と解説しています。
広末涼子さん
治療には、気分安定薬などが用いられ、症状をコントロールすることで、多くの人が普段通りの生活を送ることが可能になります。佐藤先生は、「双極性感情障害は早期発見・早期治療が重要です。気分の波が激しく、日常生活に支障が出ていると感じたら、早めに専門医に相談しましょう」と呼びかけています。
甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。動悸や息切れ、体重減少、発汗過多などの症状が現れます。代表的な病気としてバセドウ病が挙げられます。内分泌専門医の田中先生(仮名)は、「甲状腺機能亢進症は、適切な治療を受ければ症状をコントロールすることができます。放置すると、心不全などの合併症を引き起こす可能性もあるため、早期発見と適切な治療が大切です」と述べています。
2つの疾患の関連性
双極性感情障害と甲状腺機能亢進症は、それぞれ異なる病気ですが、一部の症状が似ているため、鑑別が難しい場合があります。例えば、イライラや集中力の低下、不眠などは、どちらの病気にも共通する症状です。田中先生は、「両方の疾患を併発することは稀ですが、可能性はゼロではありません。それぞれの症状を注意深く観察し、適切な診断と治療を受けることが重要です」と強調しています。
広末さんの事故との関連は?
広末さんは、高速道路での事故を起こし、その後、双極性感情障害と甲状腺機能亢進症の診断を受けたことが公表されました。佐藤先生は、「疾患と事故の因果関係ははっきりとは断定できませんが、症状がコントロールされていない状態であれば、事故のリスクが高まる可能性は否定できません」と指摘しています。
広末涼子さんの若い頃
今後の見通し
広末さんは、芸能活動を休止し、治療に専念することを発表しています。佐藤先生は、「治療に専念することで、症状が改善し、社会復帰できる可能性は十分にあります。焦らず、じっくりと治療に取り組むことが大切です」とエールを送っています。
まとめ
今回の広末さんのニュースを通して、双極性感情障害と甲状腺機能亢進症について、改めて理解を深めることができました。精神疾患は、誰にでも起こりうる病気です。偏見を持たず、温かい目で見守り、支援していくことが重要です。広末さんの一日も早い回復と、芸能界への復帰を心から願っています。