米自動車大手フォード・モーターは、トランプ前政権の高関税政策の影響で2025年通期の調整後EBIT(税・利払い前利益)が約2200億円減少するとの見通しを発表しました。これは、追加費用約25億ドルのうち、コスト削減で約10億ドルを相殺してもなお残る巨額の損失です。関税による不透明な市況を理由に、フォードは通期業績予想の撤回も余儀なくされました。
トランプ関税、自動車業界に暗い影落とす
トランプ前政権が導入した高関税政策と、それに伴う各国の報復措置は、米国自動車業界に大きな打撃を与えています。フォードに限らず、ゼネラル・モーターズ(GM)も2025年通期の業績への関税の影響額を40億~50億ドルと試算し、純利益見通しを下方修正しました。自動車部品の輸入コスト増加や完成車の輸出における競争力低下など、関税の影響は多岐に渡り、業界全体の業績を圧迫しています。業界アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「トランプ前政権の保護主義的な政策は、皮肉にも国内産業に深刻なダメージを与えている」と指摘します。
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フォードの業績低迷、関税が追い打ち
フォードの2023年1~3月期決算は、売上高が前年同期比5%減の406億5900万ドル、純利益は65%減の4億7100万ドルと大幅な減益となりました。新製品発売に伴う一部工場の生産停止に加え、高関税政策による費用増加が業績低迷に拍車をかけています。自動車ジャーナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「新製品への投資と関税負担のダブルパンチで、フォードの経営は厳しい状況に立たされている」と分析しています。
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今後の見通しは不透明、各社の対応策に注目
関税の影響は長期化すると予想され、フォードをはじめとする自動車メーカーは抜本的な対策を迫られています。コスト削減や生産体制の見直し、新技術への投資など、各社の対応策が今後の明暗を分ける鍵となるでしょう。自動車業界全体の動向に引き続き注目が集まります。