トランプ氏、日米貿易協定に疑念表明 高関税再開を示唆

トランプ米大統領が、日本との貿易協定締結について疑問を表明した。前日には日本の対米輸出品に高関税をかけると脅し、日本が米国産米を購入しないと主張するなど、日米間の貿易関係に再び緊張が高まっている。同氏はまた、相互関税の一時停止措置が期限を迎える中で、日本や他の国々を「非常に甘やかされている」と批判した。

貿易協定への疑問と「甘やかされている」批判

1日、大統領専用機エアフォースワンで記者団に対し、トランプ氏は「我々は日本と取引してきた。取引が成立するかどうかは確信がなく、疑いを持っている」と述べた。
トランプ前大統領が記者団に日米貿易協定について語る様子トランプ前大統領が記者団に日米貿易協定について語る様子さらに、「日本や他の国々は非常に甘やかされている」と指摘。30~40年にわたり米国を食い物にしてきたため、取引をまとめるのは困難だとの見方を示した。

差し迫る関税期限と日本の動き

トランプ氏が掲げる「相互関税」の90日間停止措置は、7月9日に期限が迫っている。こうした中、日本をはじめとする米国の貿易相手国は、期限までに取引をまとめ、トランプ氏との関係を円滑に保ちたい意向だ。
今回の発言は、岩屋毅外相らがワシントンを訪問し、日米豪印の戦略対話(クアッド)会合を行った最中に出たもの。また、先週には赤沢亮正経済再生担当相が通商協議のため7度目の訪米を行っていたばかりだ。東アジアにおける米国の重要な貿易相手国であり、安全保障上の同盟国でもある日本との関係は、トランプ氏の強硬な関税措置によって試練に直面している。

米国からの米・自動車輸入に関するトランプ氏の主張と事実

トランプ氏は1日、関税の一時停止措置を9日以降に延長するつもりはないと明言した。
前日のSNS投稿に続き、日本が米国から米を買っていないと重ねて非難。「彼らは米をとても必要としているのに、米を受け取ろうとしない」と述べた。しかし、米国勢調査局の貿易統計は異なり、日本は昨年1年間で2億9800万ドル(約429億円)相当、今年1月から4月にかけては1億1400万ドル相当の米を米国から輸入している。
さらに、日本人が米国車を買わないとも指摘。「我々は10年間、彼らに1台も車を与えなかった」と述べた。これに対しても、日本自動車輸入組合のデータも異なり、昨年日本は1万6707台の米国車を輸入していることを示している。

今後の関税率と日本政府の反応

今後の対日関税率については、「30%か35%か、我々が決める数字を支払うことになるだろう」と示唆した。
これに対し、青木一彦官房副長官は2日、日米間の貿易協議は継続していると説明。日本政府はトランプ氏の主張を承知しているとしつつも、それについての具体的なコメントは差し控えるとした。

トランプ米大統領の日米貿易協定への疑念表明と高関税再開示唆により、両国関係の不透明感が増している。同氏の主張はデータと異なる点も多く、日本政府は協議継続の姿勢だ。7月9日の関税措置期限を控え、今後の展開が注視される。

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