4月7日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。ニュージーランド編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。
【写真】「待っててほしい」薔薇の花を受け取ったミスコン王者女子高生・はるあ
以下より、5月5日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。
・『ニュージーランド編』の結末は“安心してOK”? せり×みづきら、安定感ある2ショット
この記事をもし、『ニュージーランド編』の結末を知らぬまま開いてもらったのであれば、大いに安心してもらいたい。『今日好き』の歴史に残る、ほとんど誰もが望まぬ展開となったグループ分けが前回の4話でのこと。あれからメンバーの恋の安定感は右肩上がりの一途を辿り、最終的に全員がもれなく“向き合う相手”を決めきることができた。
前回の『卒業編2025 in シンガポール』で結ばれた、そうま(阿部創馬)×メガン(夏川メガン)の“そうめが”カップルほどではないし、グループ行動などで一緒に過ごす時間が短かったのも事実。それでも、初日に手痛い失恋を経験したひなた(田中陽菜)でさえ、今回集まったなかから運命の相手だと思えるメンバーをしっかりと選ぶことができた。
たとえば、おうが(桜我)×はるあ(武田晴安)。現状、最もわかりやすく相思相愛のペアだが、おうがは最後のアピールタイムで、自身の好きな「レゴブロック」を組み立て、はるあに薔薇の花束の形でプレゼント。その本数からして、なんとなく意味もありそうと思えたところで、本人からも解説が。彼が用意した5本の薔薇が持つ花言葉は、あなたに出会えて最高によかった。「はるあちゃんに告白に行こうと思うから、それまで待っててほしい」と、この後の展開も確かに約束する。
この2ショット終盤、おうがが東京、はるあが北海道と、お付き合いをしても遠距離恋愛となることに、彼女がやや懸念を示していたが、それをバイクの免許を取れば解決できると思っていたおうがはご愛嬌。冷静に考えれば、飛行機や新幹線で会いに行くのが無難だが、そのあたりも未熟な高校2年生らしい。気持ちが舞い上がれば、乗り物だって間違える。
せり(松井芹)×みづき(秋山みづき)は、昨日の“友だち感が強い問題”はどこへやら。ここでは、みづきの方から提案があり、付き合ったら楽しいことをたくさんしたいという理由で、あっち向いてホイで勝負。なぜか毎回、斜め上だったりと絶妙な角度を向くみづきが“らしさ”溢れていたが、最後はしっかりと真面目に締めくくる。
みづきは「本当に人柄というか、素敵な方だなって」、せりもまた「人を幸せにする天才です、あなたは」と、お互いを讃え合った後、彼がふとスマホのロック画面を見せる。そこには、みづきが初日、せりと一緒に羊と戯れたときの写真が。それをこれから、いまここで撮影するツーショットに変えたいという。みづきの笑顔も昨日に比べて明らかに多いし……あれ、なんかいい雰囲気?
・“りくとガチャ”不発、ゆうやは十分に心開けず 一部では告白前に失恋状態が判明も
やや悲しい展開にも少しだけ触れておくとすると、りくと(仲陸翔)は昨日の“りくとジェットコースター”に続き、“りくとガチャガチャ”を発明(何度でも記すが、彼のMBTIはESFP:エンターテイナーではなく、ENFJ:主人公)。ひなたが彼の手首をひねると、ガチャガチャが回される仕組みだったのだが、そのなかで出てきたのが紙に書かれた「シークレット」。りくとから、今回の旅の思い出を、ひなたが大好きなイラスト(しかもやや『週刊少年ジャンプ』チックな画風)でまとめたスケッチブックをプレゼントされる。
それに対して、ひなたも2泊3日の感謝を込めて、事前に用意してきた「世界に1枚だけの絵」でお返し。旅の初日のひなたとりくとの構図が、青色の心をピンク色の暖かさで包むイラストで描かれていた。ただ悲しいのは、たしかに“世界に1枚”だったのだが、この後すぐ、とうい(木村斗一)にもこれまた“世界に1枚”しかない絵が贈られていたこと。そこには、中心に先ほどと同じ青色のハートが置かれながら、その周囲をとういの黄色い賑やかさが包み、かつふたつのピンク色のハートが。この横並びのマークがとういとひなたを表していたのかなど深くまでは語られなかったが、この時点でりくとのカップル成立は……。
しかも直前、ゆうや(大鶴悠也)もみづきから、せりに対する気持ちの方が大きいを告げられてしまう。みづきは一時こそ「もっと心開いてくれるかな」と期待してくれていたらしいが、継続メンバーの壁は高かった。ゆうやは「俺もそれは、応援してます」と背中を押してくれたが、このタイミングではもうそうとしか言えないだろう。同じ結果なら、みづきにはせめて告白をさせてあげてほしかったと捉えるか。はたまた、相手が悩む時間と傷つく大きさをなるべく短く、かつ軽減させる優しさと考えるかは人それぞれ。ともあれ、ゆうやは最終告白をしないまま、ニュージーランドの地を去った。
・せり×みづき、とうい×ひなた、おうが×はるあ……カップル成立し、結ばれたペアは?
とここまで、告白に先駆けた別れにも触れはしたのだが、なにはともあれ冒頭にも記した通り、大いに安心してもらいたい。全員が“向き合う相手”を決めきることができたのだから。ということで結果を伝えよう。成立カップル数は、0組である。
……少し勢いが過ぎただろうか? とはいえ、全員が“向き合う相手”を決めきることができたのはウソではない。しかしながら、そこから先で、また新たな悩みが生まれていたのもウソではないのだ。
順に解説していくと、はるあは前述の遠距離恋愛を理由とはせず、単純に付き合ってからの未来がわからなかったとのこと。そこから気持ちが上がることはなく、中途半端な気持ちで付き合うことができなかったという。なんともシンプルな理由だし、初めての旅なら誰もがぶつかる壁。実際、成立カップル数が0組となった前回の旅は2024年6月放送の『ホアヒン編』にまで遡るが、当時も同様の理由を、最後の最後に耳にした覚えがある。
告白に行かなかったゆうやのほか、せりは結果的に、みづきのなかにあった”友だち感”を克服できず。先ほどの明るい2ショットは、嵐の前の静けさだった、と書くと少し意味が異なるかもしれないが、最後くらいは楽しく過ごし、素敵な思い出を作りたいというみづきの気持ちだったのかもしれない。「中途半端な気持ちでお付き合いすることはできない」と伝えられてしまったが、これもまた『ホアヒン編』で聞いたような気がする。せりが最後、「恋すればするほど、どんどん新しいものが出てきちゃうから、恋って難しい」と学びを振り返ってくれたが、本当に仰る通りだ。
では、ひなたは? 実は、彼女はとういの“肩パン”提案などが本当に心の支えになっていたようで、告白後のソロインタビューでも「一緒に日本帰ってるのとか想像しちゃってたから、結構苦しいです」と、明らかに落胆していた。だが厳密に言えば、カップルとして成立せずともフラれはしていないのだ。
とういが告白の場に登場しながら、ひなたに手を伸ばさなかったのは、心のなかにまだ、もうひとりの意中の相手=さわ(沙和)の存在があったから。ひなたとは、2日目のグループ行動で離れ離れになったが、それはさわも同様だったし、あくまで言い訳に過ぎないという。自身からより多くの2ショットに誘っていれば、こうした迷いも払拭できたと後悔していた。
今回のオンエア冒頭、スタジオの“恋愛見届け人”を務める井上裕介(NON STYLE)が「カップル0はないな?」と、周囲に答えを求めていたが、誰も“うん”とは頷かず。それどころか、もしあの場の制作スタッフが“答え”を知っていたとしたら、“いや、あの……合ってます”という、なんとも言えない顔になってしまっていたことこの上ない。井上もすべてを察して、口を閉ざしたことだろう。
総括すると、グループ行動はやはり大切。もちろん、それだけが旅の行方を左右するわけではないが、『ニュージーランド編』は正直、観ていてなかなか難しい感情にさせられた。ともあれ、中盤の“どうしたらよいのか?”という空気感を、メンバーが乗り越えてくれたことにまずは敬意を表したいし、ここまでしっかりと、かつリアルに恋をできたのは疑いもない事実。
ひとつあるとすれば、今回はなにかと、井上の勘がよすぎた。ひなたも最後、そのような旨を投げやりにぶつけていたが、ひとまずは『井上塾』の塾長に責任がある、ということにしておこう……。井上さん、なんかごめんなさい。
一条皓太