16歳で髪が抜け始め「ただただ不安で、すごく怖かった」 全身脱毛症公表のGYUTAEさんを救った“変身メーク”


SNSで話題、フォロワー265万人

【写真複数】「あなたの魅力は髪の毛だけじゃない」と語るGYUTAEさん

 ギュテさんはインスタグラムなどのSNSを中心に活動し、総フォロワー数は265万人に上る。

 16歳で髪が抜け始めたという。「ただただ不安で、すごく怖かった」。洗髪すると大量の抜け毛が指に絡み付き、風呂場の排水溝にたまる光景におののいた。後頭部のコイン形だった脱毛範囲は、いつしか頭部全体に広がった。

 原因は分からず、病院での治療も効果はなかった。外出時にはウィッグなどを使い、周囲に気付かれなかったが、時には「死にたい」との思いを抱いた。22歳で眉毛やまつげも抜けた。

「ないなら描けばいい」

 動画の視聴者に「何で眉毛がないの?」と聞かれることが増え、6年前に脱毛症を公表。同じ当事者からの反応が相次いだ。自分の行動が他者の活力につながることに気付き、脱毛症に関する発信を続けてきた。

 脱毛症の当事者には、ウィッグを使って周囲に明かさない人もいれば、ありのままの姿で過ごす人もいる。ギュテさんは「どちらもそれぞれの選択」とした上で「みんなそれぞれ、毛以外の魅力がある。そこに自分の目を向けてほしい。毛がないだけで、したいことを制限する必要はない」と強調する。

「同じはずがない」

 「それぞれ生きてきた経験が違う中で『普通』が同じはずがない。僕にとっては毛がないことが普通。『普通』という価値観が少しでも変わってほしい」

 全身に及ぶ症状はそのままだが、今、脱毛症は「治っても治らなくてもいい」と考えている。ギュテさんは「精神的にすごくつらい病気だと身に染みて分かっている。身近な病気で、葛藤を抱える当事者がいることを少しでも知ってほしい」と話した。

 (森亮輔)

【円形脱毛症】

西日本新聞



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