7日午後6時55分頃、東京都文京区向丘の東京メトロ南北線東大前駅に停車中の電車内で、ホームから乗り込んで来た男が突然刃物を振り回し、20歳代くらいの男性に切りつけた。男は周囲にいた乗客に取り押さえられ、居合わせた警察官に殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。男性は頭部を負傷し、病院に搬送された。男を取り押さえた際、30歳代くらいの別の男性も指に全治1か月の重傷を負った。2人とも命に別条はないという。
警視庁の発表によると、男は住所・職業不詳の男(43)。調べに黙秘しているが、被害者2人との面識はないとみられ、警視庁が詳しい経緯を調べている。現場の駅ホームからは刃渡り約20センチの包丁が押収された。
駅ホームには警報音が鳴り響き、車両から逃げ出した乗客らで騒然とした。目撃者によると、頭を負傷した男性はホーム上に座り込み、流血していた耳付近を手でおさえていて、周囲には血痕が広がっていたという。車両に乗っていた千葉市美浜区の中学3年の男子生徒(14)は「通学に使う電車でまさか事件が起きるなんて」と声を震わせた。
東京メトロによると、南北線は全線で一時運転を見合わせ、午後7時15分頃から約4時間にわたり、市ヶ谷―駒込駅間を除いて折り返し運転を行った。