【ローマ=倉茂由美子】新ローマ教皇を決める教皇選出会議(コンクラーベ)は投票2日目の8日午後、米シカゴ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)を、第267代教皇に選出した。教皇名は「レオ14世」を名乗る。米国出身の教皇は初めて。
コンクラーベが開かれていたシスティナ礼拝堂の煙突からは8日午後6時(日本時間9日午前1時)過ぎ、教皇選出を示す白い煙が出た。約1時間後、サンピエトロ大聖堂のバルコニーに登場した新教皇は「あなた方に平和がありますように」とあいさつし、「対話と出会いを通して、橋を架けましょう」と呼びかけた。
新教皇レオ14世の演説要旨は以下の通り。
あなた方に平和があるように。復活したキリストの平和、謙遜で忍耐強く、武器のない平和だ。まだ私たちの耳にはか細くも、常に勇敢な教皇フランシスコの声が残っている。復活祭の朝、教皇フランシスコは全世界に祝福を与えた。私も同じ祝福を繰り返すことをお許しください。神は私たちを愛される。そして悪が勝つことはない。
私たちは皆、神の手の中にある。だから恐れずに、互いに手を取り合い、前へ進もう。対話と出会いを通して、互いに橋を架けよう。皆が一つになり、平和な唯一の民となろう。
兄弟である枢機卿の皆に感謝する。私を(初代教皇)ペテロの後継者として選んでくれたのは、一致した教会として皆と共に歩み、常に平和と正義を求め、宣教者として恐れることなく福音を告げるためだ。
ローマの教会に特別なあいさつを送る。教会は橋を架け、対話をし、この広場のように常に腕を広げて全ての人に開かれていなくてはならない。私たちは共に歩み、常に平和を求め、特に苦しむ人々に寄り添う教会でありたい。この新しい使命のため、全教会と世界の平和のために祈ろう。