[イスラマバード/ニューデリー 10日 ロイター] – パキスタンのアシフ国防相は10日、現地のテレビ局に対し、核兵器の管理を統制する国家指令本部の会議の開催は予定されていないと語った。パキスタン軍はシャリフ首相が会議を招集したと発表していた。
ロイターはパキスタンの情報相にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
ともに核を保有し、緊張関係を続けてきたインドとパキスタンは1999年以来で最悪の対立状態にある。これまでに双方で数十人の死者を出し、米国と主要7カ国(G7)が事態の鎮静化を求めている。
アシフ国防相はARYテレビに対し「あなたが言うようなもの(核の選択肢)は存在するが、それを話すのはやめよう。非常に遠い可能性として扱うべきであり、差し迫ったもののような文脈の中で議論すべきではない」と語った。「そうなる前に熱は冷めるだろう。国家司令本部の会議はまだ開かれていないし、予定もない」とした。
ルビオ米国務長官はこの日、パキスタンのムニール陸軍参謀長、インドのジャイシャンカル外相と電話で会談。双方に事態をエスカレートしないよう求め、「計算違いを避けるため直接的な意思疎通を再開する」よう促していた。
ジャイシャンカール外相はルビオ氏との会談後、「インドのアプローチは常に慎重かつ責任あるものであり、現在もそうだ」とソーシャルメディアのXに投稿した。一方、パキスタンのダール外相は地元テレビに対し、インドがここで立ち止まるなら「我々はここで立ち止まることを検討する」と述べた。
<インドがミサイル、パキスタンが報復>
パキスタンは10日、首都イスラマバードに近い基地を含む空軍基地3カ所に、インドがミサイルを発射したと発表。その後、インドに対して軍事作戦を開始し、インド北部のミサイル貯蔵所を含む複数の基地を攻撃したとしていた。
インド側は、空軍基地の物的・人的被害は限定的とした。一部の基地には高速ミサイルが複数飛来したが、対処したとした。
現地警察によると、インドのジャンムー・カシミール州で市民5人が死亡した。
パキスタンの情報相はソーシャルメディアのXに、軍事作戦は「Bunyanun Marsoos作戦」と名付けられたと投稿した。この言葉はコーランから取られたもので、堅固で団結した構造を意味する。
両国が領有権を争うカシミール地方で発生した観光客襲撃事件を受け、インドは今週7日、パキスタンとカシミール地方のパキスタン支配地域にある計9カ所の「テロリストのインフラ」を攻撃したと発表した。パキスタンは報復を宣言、それ以来、両国は毎日のように衝突を繰り返している。
*情報を追加しました。