前参院議員のガーシーこと東谷義和氏が公開した動画で名誉を傷付けられたとして、元兵庫県警警察官の男性が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(浜本章子裁判長)は10日、1000万円の支払いを命じた今年1月の1審・神戸地裁判決を取り消し、審理を地裁に差し戻した。訴状が東谷氏に適法に送達されておらず、「1審の口頭弁論手続きと判決は違法」とした。
男性側は1審で、訴状を送る東谷氏の住所がわからないと申し立て、裁判所は、提訴を知らせる書面を掲示板に2週間貼り出して訴状が届いたとみなす「公示送達」の手続きを取った。東谷氏は口頭弁論に出席しないまま判決が言い渡された。
浜本裁判長は、SNSのダイレクトメッセージ機能を使うなど男性側が提訴を知らせる手段を尽くしていないのに公示送達が行われた点が違法だと指摘した。