世界No1の宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」が、日本国内の2割にあたる172店を「収益改善のため」閉店するという。
【画像15枚】美味しそうすぎる…ドミノ・ピザの最近の商品はこんな感じ
コロナ禍による「デリバリー特需」に沸いた宅配ピザ業界の3強(ドミノ、ピザハット、ピザーラ)の中でも、ドミノ・ピザはもっとも積極的に出店を続けていた。なぜ一転して「閉店ドミノ」に踏み切ったのか?
まずは絶品のピザを「やっぱ、美味いわ!」とばかりに味わいながら、現場ではなく経営サイドが抱える課題について考えてみたい。
■宅配ピザは「ハレの日の特別な体験」
昔も今も、ピザを頼むのはだいたい「ハレの日」(特別な日。誕生日やクリスマスなど)と、相場が決まっている。
電話やネットでデリバリー注文が入ると、店では球状の生地を手作業で伸ばし、その上にソース・チーズ・具材を乗せてコンベアー状のオーブンへ(調理はスピーディーなのに、ほとんど手作業! )。保温ケース付きのバイクにピザを乗せて、玄関先まで届けてくれる。
ふだん家で作らない「手作りピザ」を家族や仲間で1ピースずつシェアして、伸びるチーズを楽しみながらみんなで食べる経験は、丼物や中華の出前などでは得られないワクワク感がある。
家族で頼むと軽く数千円かかることもあり、宅配でピザを頼むこと自体が、食事だけでなく「ハレの日ならではの体験」なのだ。
■チーズは濃厚、ソースは風味豊か ドミノ・ピザ、やっぱり違う!
土曜日の昼下がり、1.5Km先のドミノ・ピザ店舗にピザ2枚とサイドメニューを電話注文。
さほど忙しくなかったようで、200円追加で20分以内の配達を約束する「ミッション20ミニッツ」(届かなかった場合は次回Mサイズクーポン進呈)をオプションでつけることなく、20分以内でピザが届いた。
ちなみに、筆者を含め、この日集まった全員が元・宅配ピザ店のバイト経験者だ。
ひさびさにピザを食べながら、経験者どうしで「ドミノ・ピザは、やっぱり一味も二味も違う!」という見解で一致した。
■ドミノ・ピザ、元バイトたちが語る「なぜ美味いか」
まず、他のピザ店が複数種のチーズをブレンドしているのに対して、ドミノ・ピザは多くのメニューで100%モッツァレラチーズを使用している。
通常のピザチーズよりミルク感や風味が強く、何より、やろうと思えば面白いほど「びよよよよーーーん」と伸びる。イメージとしては、「チーズに張りとコシがあり、伸ばすほどミルキーな香りが広まる」感じだろうか。