現役の納棺師でピン芸人・おくりびと青木が語る“葬儀事情の変化”「最近はコスプレを死装束に選ぶ人もいます」


⇒【写真】納棺士として仕事をする様子。※ご遺体役には人形を使用

納棺師の仕事とは?

「小さい頃から葬儀の手伝いをしていたので、専門学校に入った時点で、ご遺体を見たり、触れたりすることへの抵抗感はありませんでした」

ご遺体を生前と同じような状態に整えるのが納棺師の仕事だ。髪をとかし、お化粧を施し、衣服を着せ替える。必要があれば傷の処置をすることもある。

一番の目的は、ご遺族が少しでも安らかな表情の故人とお別れができるようにすること。生前の面影を残した姿に接することで、遺族からは「いい顔してるね」といった言葉がこぼれるという。

「おだやかなお別れの時を過ごされる様子を見ると、この仕事をしていてよかったなと思います」

東京と地方で違う送り方

「地方では昔ながらの葬儀文化が根強く残っていて、ご家族が旅支度(仏衣などを身につけ、来世へ旅立つ準備を整えること)を手伝ってくださったり、故人との最後の時間を本当に丁寧に過ごされます」

一方、東京のような都市部では葬儀の形が簡略化し、火葬のみですませるケースが増えている。

「若い世代が増えた都市部では、葬儀の意味や作法に馴染みがないのでしょう。コロナ禍では、なるべく触れない方がいいという考えも広がり、葬儀の形がさらに多様化しました」

家族の形や事情により、遺族が葬儀に参加しない場合も。

「独居老人や生活保護を受けている方の場合、市や区の職員と葬儀社だけで見送ることもあります。また、ご遺族がいても『もう縁を切っているので』と、病院関係者と葬儀社だけで行うケースもあります。それぞれに事情があるのは理解していますが、やはり少し寂しさを感じてしまいますね」



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