テレビ朝日『チョコプランナー』で、漫画『闇金ウシジマくん』の著者・真鍋先生に“ヒリヒリする話”を披露する回に登場し、リアルな恐怖体験で出演者たちを震え上がらせた、現役納棺師でピン芸人のおくりびと青木さん。
納棺師歴18年のベテランが、なぜこの仕事を選び、どんな想いで亡き人と向き合っているのか。テレビでは語りきれなかったエピソードの裏側と、“笑い”と“死”が交錯する不思議な生き方に迫った。
納棺師の仕事とは?
納棺師と芸人とを行き来しながら独自の道を歩む「おくりびと青木」さんは、福島県の葬儀社に生まれた。高校卒業後、神奈川県内の葬儀専門学校に進学。並行して松竹芸能の養成所にも通い、納棺師と芸人、2つのキャリアを同時にスタートさせた。
「小さい頃から葬儀の手伝いをしていたので、専門学校に入った時点で、ご遺体を見たり、触れたりすることへの抵抗感はありませんでした」
ご遺体を生前と同じような状態に整えるのが納棺師の仕事だ。髪をとかし、お化粧を施し、衣服を着せ替える。必要があれば傷の処置をすることもある。
一番の目的は、ご遺族が少しでも安らかな表情の故人とお別れができるようにすること。生前の面影を残した姿に接することで、遺族からは「いい顔してるね」といった言葉がこぼれるという。
「おだやかなお別れの時を過ごされる様子を見ると、この仕事をしていてよかったなと思います」
東京と地方で違う送り方
専門学校を卒業後、青木さんは都内の葬儀社で約3年間勤務し、その後地元に戻り、実家の葬儀社で納棺師として働きながら、都内では芸人としても活動している。2つの土地で働く中で、葬儀の送り方に地域差があることに気づいた。
「地方では昔ながらの葬儀文化が根強く残っていて、ご家族が旅支度(仏衣などを身につけ、来世へ旅立つ準備を整えること)を手伝ってくださったり、故人との最後の時間を本当に丁寧に過ごされます」
一方、東京のような都市部では葬儀の形が簡略化し、火葬のみですませるケースが増えている。
「若い世代が増えた都市部では、葬儀の意味や作法に馴染みがないのでしょう。コロナ禍では、なるべく触れない方がいいという考えも広がり、葬儀の形がさらに多様化しました」
家族の形や事情により、遺族が葬儀に参加しない場合も。
「独居老人や生活保護を受けている方の場合、市や区の職員と葬儀社だけで見送ることもあります。また、ご遺族がいても『もう縁を切っているので』と、病院関係者と葬儀社だけで行うケースもあります。それぞれに事情があるのは理解していますが、やはり少し寂しさを感じてしまいますね」