東京メトロ南北線「東大前駅」で、5月7日夜に起きた切りつけ事件。男が突然、電車に乗り込もうとした大学3年の男性の頭部を後ろから包丁で切り付け、車内まで追いかけて計3回切り付けた。男を取り押さえた30代男性も指にけがをしており、男は殺人未遂の現行犯で逮捕された。
「逮捕された戸田佳孝容疑者(43)は、事件当日に住まいのある長野県から上京したばかりでした。当初は取り調べに黙秘していたものの、その後、容疑を認めた上で動機を話し始めています。『経済的に困窮していた』といい自暴自棄になっていたようです。
東大前駅で犯行に及んだ理由については『教育熱心な親のせいで不登校になり苦労した。東大を目指す教育熱心な世間の親たちに、度が過ぎると子どもがグレて私のように罪を犯すということを示したかった』などとも話しています。事件前には東大を歩き回って、食堂で食事をしていたことも判明しています」(大手紙社会部記者)
戸田容疑者は、直近は長野県内の一軒家に1人で住んでいたが、出身は名古屋市だ。自らが、“教育虐待”を訴える容疑者が育った家庭環境とは──。NEWSポストセブン取材班は、容疑者が学生時代を過ごした住宅を取材したところ、近隣女性はこう語った。
「テレビのニュースを見て、ああ戸田さんのところの息子さんが犯人だよねって息子とも話しましたよ。佳孝君と妹さんと、会社員のお父さんと専業主婦のお母さんの4人家族です。お家にはおじいちゃんおばあちゃんもたまに来ていたようですね。あまり印象には残っていませんが、すごい教育熱心な家庭かと言われると……わからないですね。
特に習い事やスポーツをやっていたっていう記憶はないし、お母さんが特に教育熱心というイメージもない。佳孝君がすごく勉強が出来たというイメージもないんですよね……」
ただ、近くの高齢男性はこの地区には「教育熱心な家庭が多かった」と証言する。
「この地区はね、昭和60年に一斉に住宅が出来たんだけど、当時土地付きで3500万円くらいだったから、お金に余裕がないと買えなかったのよ」
裕福な家庭が多い地域。そこの住民たちには“エリート”が多かったという。