韓国与党「国民の力」金文洙だけを信じて金文洙だけを非難して8日間で終わった「政治家・韓悳洙」


【写真】韓悳洙前首相と金文洙「国民の力」大統領候補

この日の記者会見は10日未明に国民の力大統領候補として奇襲登録、同日全党員を対象に行った大統領候補変更(金文洙→韓悳洙)賛否調査が否決された後に候補から降りた「政治家・韓悳洙」の最後の挨拶も同然だった。

国民の力候補への登板が有力だった10日、党舎記者会見で国民の力の象徴カラーである赤色のネクタイを締めて「金悳洙、洪悳洙、安悳洙、羅悳洙」と言った韓氏は、この日の承服記者会見では官僚時期に好んで着用していた紫色のネクタイを再び締めて演壇に立った。金氏が提案した選挙対策委員長職についても「実務的に協議しよう」と言って距離を置いた。事実上の拒絶だった。

2日の出馬から10日落馬まで韓氏のこの8日間はジェットコースターに乗っているかのようだった。すべての日程が金氏との単一化に絞られて公約発表はたった1回にとどまった。自身の武器である通商と経済を前に出すことも、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党候補とまともに対決することもなく幕を下ろした。旧与党関係者は▷国民の力大統領選挙予備選不参加▷金文洙氏に対する過度な確信▷閉鎖的な選挙キャンプ運営--を韓氏の失敗要因に挙げた。

韓氏は過去8日間、「タダ乗り」フレームから脱することができなかった。韓氏と2回にわたって談判を行った金氏は韓氏と会うたびに「それほど国が心配なら(預託金)3億ウォン(約3100万円)を出して国民の力予備選に参加するべきだった」として責めた。権寧世(クォン・ヨンセ)前国民の力非常対策委員長ら国民の力指導部も先月韓氏に対して大統領選挙に出馬するつもりなら予備選に出るよう数回要請したという。国民の力の核心関係者は「予備選への参加もなく韓氏支持率維持は難しいと判断した」と話した。

だが、そのたびに韓氏は「政治の考えはない」と言って断った。韓氏側近参謀も「首相を予備選の局面に入れてはならない」と言って否定的だったという。国民の力指導部は「韓悳洙カード」を排除したまま余裕のない予備選スケジュールを組んだ。候補選出日は大統領候補最終登録日わずか8日前だった。一歩遅れて出馬を宣言した韓氏にとっては結果的にあまりにもハードな日程となった。

予備選参加を拒否した韓氏はなぜ土壇場で出馬を決心したのだろうか。まず「韓悳洙推戴論」を前に出す国民の力議員の説得に心が少しずつ動かされたという。4月末、米国トランプ政府との関税交渉が「7月パッケージ」として一段落し、険しい峠を越えて補正予算案も国会で通過し、国政運営の負担を軽くしたことも大きかった。特に首相ー長官として内閣で共に仕事をして予備選期間、自身を「金悳洙」と言っていた金氏が速やかに単一化に出るだろうと確信したという。

だが「長官・金文洙」と「政治家・金文洙」は全く違う人間であることを政治経験が浅い韓氏は見抜くことができなかった。

韓氏側関係者は「金候補が単一化を巡って違うことを言うとは思わなかった。たとえ異なる決心をしても世論に耐え切ることができると思ったが甘かった」と後悔した。

韓氏は出馬後8日間、李在明候補ではなく事実上金氏とだけ戦った。予備選から脱落した洪準杓(ホン・ジュンピョ)前大邱(テグ)市長と韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表も韓氏と対立した。普段、言葉を選んでいる様子とは違い、「私と単一化すると22回も約束された人が一日でうそをつく。そのような政治家は国を滅ぼす可能性が高い」〔9日KBS(韓国放送公社)時事番組『事事件件』〕と言って韓氏は感情的な発言を吐露した。

閉鎖的で秘密に覆われた選挙キャンプ運営も失敗の一端になったという指摘だ。韓氏の大統領選挙への出馬は孫栄沢(ソン・ヨンテク)元首相秘書室長と金秀蕙(キム・スヘ)元首相室公報室長を中心に組織された。2人とも過去3年間、毎週韓氏と単独面談をしながら信頼を築いてきた参謀だ。だが、大統領選挙準備経験が不足し、キャンプ構成も孫氏と近い人々が多く、李貞鉉(イ・ジョンヒョン)元国民の力議員を除いては重量感のある人々が合流していなかった。

韓国政界内外では「国民の力党次元の支援だけを信じ、まともにキャンプ運営をしなかったのではないか」という指摘もある。7日、韓氏が「11日までに単一化できなければ選挙出馬を断念する」と明らかにしたこともごく少数の参謀だけに共有されたという。旧与党関係者は「ここ8日間、官僚として強みのある『韓悳洙らしさ』をただの一度も打ち出すことができなかった」とし「参謀も経験がないため、多選議員が布陣した金氏側参謀に単一化交渉のたびに止まってしまった」と話した。



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