【釜山聯合ニュース】性的暴行を加えようとする男の舌を噛み切ったとして1964年に起訴され、有罪判決を受けたチェ・マルジャさん(78)に対するやり直しの裁判(再審)の初公判が23日、釜山地裁であり、検察側が無罪を求刑し、即日結審した。
当時18歳だったチェさんは性的暴行を加えようとしてきた21歳の男の舌を噛み、約1.5センチ切断したとし、懲役10か月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡された。チェさん側の正当防衛の主張は認められなかった。
一方、暴行しようとした男には強姦未遂が適用されず、住居侵入や脅迫などの罪だけが認められ、チェさんよりも軽い懲役6か月、執行猶予2年が言い渡された。
チェさんは事件から56年後の2020年5月に再審を請求したが、釜山地裁と同高裁は検事に自白を強要されたというチェさんの主張を裏付ける証拠がないとして請求を棄却。大法院(最高裁)は3年を超える審理の末に判決を破棄し、審理を差し戻した。
この日の公判で検察側は「この事件は突然加えられた性暴力犯罪に対する被害者の正当な妨害行為」とし、「被告人に対して正当防衛を認め無罪を宣告してほしい」と述べた。
弁護側は「この事件は時代が変わったために無罪になる事件ではなく、当時も今も無罪になるべき事件で、検察と裁判所の過ちにより、誤判断された」と指摘した。
再審の判決公判は9月10日に開かれる。
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