母乳を寄付する人、届ける人の思い。ごく小さく生まれた赤ちゃんの命を守るために #こどもをまもる


母乳提供は「今しかできない社会貢献」

「『周りで不妊治療や早産の話を耳にすることも多いなか、私にもできることがあるのかもしれない』と思ったのが、ドナーになったきっかけです」

しかし、いざドナーになる方法を調べてみるとハードルが高く、産後に母乳育児が軌道に乗ってからもしばらくは悩んだ。

ハードルに感じたのは、「はじめに提携クリニックで検査を受けなければいけないこと」と、「自分の子どもが必要とする以上に母乳が出ること」という条件だった。

提携クリニックは全国的に少数で、東京23区内でも5施設のみ。澤田さんが行けるクリニックは予約枠が週1回で、赤ちゃんを育てながら予定を調整するのが難しかったという。

また、自分の子どもを完全母乳で育てていなければ、ドナー登録は認められない。海外では自分の子どもには授乳せずに母乳を販売し、生計を立てるケースもあるため、世界中の母乳バンクで“余剰分”のみをドナーから寄付していただくという厳格なルールが定められている。

それでも澤田さんは「母乳が出ている今しかできないこと。しかも、できる人が限られている社会貢献なのだから、やっぱり協力したい」と心を決め、少しずつ粉ミルクをやめて完全母乳に切り替えた。



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