関西電力役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から金品を受領していた問題を受けた同町の特別監査で、森山氏の関連会社に同町が発注した業務契約18件が「疑問を抱かざるを得ない処理」と指摘されていたことが22日、分かった。いずれも随意契約だったが、監査委はうち2件は入札を行って契約すべきだったとした。
監査報告によると、この会社は森山氏が取締役を務めていた同町の警備・人材派遣会社「オーイング」。一連の問題を受け、町は今年10月から特別監査を実施。平成12年度から今年度にかけ、オーイングのほか、森山氏が顧問を務めた町内の土木建設会社「吉田開発」との契約状況などを調べていた。
吉田開発はこの間、土木工事など約19億円を受注。一方、オーイングは警備や事務補助などの業務約1億5千万円を受注していた。吉田開発との契約には書類上の問題はなかったが、オーイングでは予定価格が50万円を超えているのに随意契約するなどしていた。
報告書は「職員の恣意(しい)や何らかの外部圧力をうかがわせる事案はない」と結論づけたが、町は月内に設置する調査委員会で元職も含む職員ら約60人に聞き取り調査を行う予定。会見した野瀬豊町長は「今後は森山氏との接点などが焦点になる」と話した。