大阪・関西万博のアクセス料金が高過ぎ、船もバスもがらがら 定期船片道3800円、駐車&シャトルバス5000円


 ゴールデンウイーク中の雨の日に、大阪府内と大阪・関西万博の会場・夢洲を結ぶ定期船が出る堺旧港(堺市堺区)を訪ねた。がらがらの旅客船が出港した直後、船舶業者A社の関係者に話を聞くと、しょんぼりとした様子でこう話した。

【写真】万博会場と駐車場をつなぐシャトルバスは乗客ゼロで運行していた

「雨とはいえ、ゴールデンウイークでこの人数とは。料金が高すぎる? その通りです。しょうがないといえばそれまでですが」

 大阪・関西万博は史上初めて、会場が海に囲まれた「海上万博」となった。会場への鉄道でのアクセスは地下鉄・夢洲駅だけだが、万博協会は「船で万博へ」とアピールしていた。

 だが実際には、夢洲駅が混雑で入場制限になることもある一方、船で来場する人はごくわずかだ。大阪市幹部のB氏は、こう話す。

「万博の来場者数が伸び悩むのは、万博内の飲食などの費用に加えて、アクセスにカネがかかることもあるでしょうね。地下鉄以外、船もバスも相場よりかなり高い」

 冒頭の堺旧港から夢洲まで、船だと大人(13歳以上)片道で3800円かかる。だが、電車を乗り継げば、大阪市内や堺市内から夢洲駅まで数百円なので、何倍もの差がある。また、同じ旅客船でも大阪市内の周遊船などは2000円以下の運賃で運航しているから、万博会場行きの料金はかなり割高だ。

 A社の関係者は、渋い表情でこう話す。

「片道3800円となったのは、万博会場の桟橋の利用料金を(万博)協会が高くしたことに尽きる。桟橋の利用料金がこんな高くなければ、うち以外の船舶業者もこぞって運航していますよ」

 夢洲には桟橋が新設され、万博協会は当初、万博会場と各地を結ぶ12航路の設置を検討していた。堺市や大阪市のほか、神戸市や関西空港などから万博会場を結ぶ予定だったが、定期運航は3つほどの航路でしか実現していない。

 予定されていた航路の一つ、大阪市淀川区の十三船着場。3月16日には、大阪府の吉村洋文知事や大阪市の横山英幸市長らが参加して「利用開始記念報告会」が開催され、テープカットが行われた。国交省近畿地方整備局や大阪府のホームページでは、万博開催にあわせて船着き場に加えて、飲食店やバーベキュー場などが集まる「十三よどがやテラス」というにぎわい施設ができるとPRされていた。



Source link